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ゆめやについて

きものとは、夢をつなぐもの

ゆめやでは、正絹(しょうけん=混じりけのない、絹100%の織物)のアンティークを中心に、約300点のきものをそろえています。お蚕さんがつむいだ絹糸からつくられた生地は、しっとりとした光沢を帯び、肌あたりもなめらか。そして何より、手から手へと受け継がれてきたものに宿るあたたかみが、着る人の心と身体をやさしく包みます。

私がきものに興味を持ったのは、20代の頃、手に職をつけるつもりで和裁を習ったのがきっかけでした。師範の免状をとったあとも、呉服屋さんでアルバイトをしたり、着付けを習ったり、きものの世界に魅せられていきました。けれども、子どもが生まれ、子育てに追われている間は、どうしてもきものと距離を置くことになってしまいました。

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たまご色に刺繍丸紋、鳳凰獅子の振袖

きものへの気持ちが再燃したのは、それから15年ほどしてからのこと。子育てが落ち着いた頃に、とある古着屋さんの店先で1枚の黒振袖に出会ったのです。気品あふれる華紋、手描きの風合い、味わい深いぼかしに釘付けになりました。要は、一目惚れしたわけです。そこからは、もう夢中でした。きものデザイナーであり、アンティークきものの収集家としても名高い池田重子先生を心の師と仰ぎつつ、「これは」というきものを集めるように。以来20年、今もきものへの情熱は尽きることがありません。

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牡丹を乗せた花車の黒振袖

私がきものを選ぶときに重視しているのは、職人の手仕事の確かさです。もちろん私自身の色柄の好みもありますが、まず、熟練の職人の技が生かされているものに惹かれます。例えば手刺繍なら、花びら1枚刺すのにも大変な手間暇をかけたもの。機械には決して真似できないぬくもりをたたえた、見事な手絞り。版木の精巧さがうかがえるような、繊細な江戸小紋など。名もなき職人たちが人生をかけて磨いた技術をそこに込め、それが後世に残っている。本当に素晴らしいことだと思います。

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色とりどりの扇紋様総絞りの振袖

こうしたきものというのは、親御さんが愛娘のために何年もかけてつくったようなものがほとんどです。未来への夢と、家族への愛がつまっています。だからこそ、大切にしなければなりません。きものは、きちんと扱えば、この先も何十年と残ります。私が集めたきものたちは、私のものではなく、ほんのひととき「預かっている」だけなのだと思います。私は、きものたちが歩む長い歴史の一端を担うに過ぎません。

そうであるならば、縁あって私の手もとにあるきものたちを、ただ寝かせておいてはいけない。できるかぎりの手入れをしながら、たくさんの人に着ていただき、たくさんの人に見ていただけるようにしたい。そんな思いから、アンティークきものレンタル「ゆめや」をはじめました。

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たまご色に刺繍丸紋、鳳凰獅子の振袖

きものとは、本当に奥深いものです。けれども、むずかしく考える必要はありません。お洋服に例えるなら、小紋や紬はワンピース、訪問着や付け下げはスーツ、羽織はジャケット、振袖はドレス……こんなふうに考えると、気軽に楽しんでいただけるかもしれません。

もちろん、とっておきの晴れの日にもふさわしいものです。ゆめやでは、こんなことがありました。ある年、総絞りのきものを成人式用にとお借りいただいた方がいらっしゃいました。10年後、その方の10歳下の妹さんが「同じきものを借りたい」とお越しになったのです。姉妹や親子で同じきものに身を包んで人生の節目を迎えるなんて、とても夢のあることだと思います。また、NHKドラマ「花子とアン」の婚礼シーンにお使いいただいた黒振袖は、その後、多くの花嫁さんに求められ、全国各地を旅しています。いくつもの家族の幸せに寄り添ったきものは、さらにその美しさを増していくようにも感じます。

きものを愛する方も、きものははじめてだという方も、ぜひ一度ゆめやのきものをご覧になってみてください。私は今日も、ここ山梨は甲府の地で、きものたちのお世話をしています。この愛すべききものたちが、みなさまの思い出に彩りを添えることができましたら、何よりの幸せです。

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ゆめや店主 田村芳子

— きもののお直しについて —

昔は、悉皆屋(しっかいや=きものの染めや洗い、手入れを生業とする人)というのがあり、きものの手入れをお願いできたものです。しかし、今の時代は、きもののお直しを任せられるところが多くありません。ゆめやでは、ご自宅のタンスに眠っているきものの丈出しや裄き出し(身長や手の長さに合わせてサイズを調整すること)をしたり、仕立て直し(裏地を変えたり、大人用のきものを子ども用などにリメイクすること)をお手伝いできたらと考えています。ご希望の方は、お問い合わせフォームよりご相談ください。