葡萄色の壺垂れ紋様にブルーグレーの花紋様の七歳祝着【kod16】

葡萄色に壺垂れが見事ですね。壺垂れ紋様というのは、陶器の壺などを焼く前に掛けた釉薬が、上から垂れてきて途中で止まった状態を描いたものです。

陶器の焼成温度は800～1,250度、磁器の焼成温度は1,200～1,400度が必要になります。今でこそガス窯や電気窯がありますが、昔は薪で焚いていました。三日三晩、薪を投げ入れ続けて、土の焼成点、釉薬の融点まで温度を上げていきます。1,200度もの窯の近くで作業を続けますから、相当な体力が必要でした。薪で焚くと、創作の面白さや焼き上がり具合がガスや電気とはまったく違いますので、現代でも薪をくべて焚く窯元もあります。

すべての釉薬が、溶けてガラス質になり器を覆うのですが、融点の高い釉薬は器の底まで流れず途中で止まります。流れる途中で止まって、偶然にできた模様を景色といい、陶芸家は狙いを定めて複数の釉薬を掛けますし、景色の様子を愛でるのが愛好家の楽しみでもあります。自然の力、偶然の出会いに任せる部分も多く、器の上に松の木を置いておき、溶ける松脂が、緑や青の美しい景色を生み出すという方法もあります。

このきもののベージュの壺垂れも素敵です。作り込まず、自然に任せた紋様ですね。スモーキーな色合いの牡丹や橘も印象的です。大人っぽい色合いですが、子どもさんにも似合うと思います。

三重仮紐で結ぶといいですね。一日お召しになっても下がってきませんし、帯がひっくり返るということもありません。ゆめやオリジナルで、長襦袢を着たようにデザインしていますので、半襦袢の上にきものをお召しになってください。ふんわりと軽く、楽にお召しいただけますよ。