仏前式で和婚 いろはの「い」

昔からあったにもかかわらず、ちょっと敷居が高そうで、「どんなものなのかわからない」という声が多いのが、仏前式の結婚式です。

お若い方にも、少しお歳を召されてからのご結婚や再婚などにも、派手にならずにしっとりと結婚式を挙げられると評判です。少人数で結婚式と披露宴をなさる方にも、仏前式は適しているのですよ。

今日は、仏前式で和婚 いろはの「い」。

まずは仏前式の基本的なことについてお話しいたしますね。

仏前式は、雅楽が響き、お香が漂う厳かな雰囲気の中で結婚式が進んでいきます。お寺の内部はもちろん、本堂の外観や庭園も、うっとりとため息が出るほどの和の美しさに満ちています。

お寺の多くは、数十年から100年以上も前の建物で、街の喧騒から逃れた山や庭園の中に建てられています。本堂の古い木材や金銀の装飾物には手作業で彫りがほどこされ、時代を経た鈍い輝きを放っています。

この時代を感じる本堂や庭園の中で、ぴったりと雰囲気が添い、さらに優美なロマンを感じさせてくれるのが、ゆめやのアンティークきものたちです。

きものと帯の時代を合わせると、その双方が引き立ちますね。手織りのきものと手織りの帯も雰囲気がしっくりと合います。これと同じように、お寺の木材や手作業の細工物と、手作業で仕立てられたアンティークきものはお互いを引き立て、いっそう輝かせることができるのですよ。

結婚式は二人の結びつきを誓う式であるのはもちろんですが、仏教にはもう一歩踏み込んだ考え方があります。

仏前での結婚式は、二人が前世からの結びつきで出会ったことの報告をし、現世での結婚、そして来世での結びつきをも誓う式です。この、前世・現世・来世までの結びつきを因縁と呼びます。仏前で結婚式を挙げることにより、その幸せな因縁はずっと後の世まで続いていくのでしょう。

仏前での結婚式は、ご先祖様を思い浮かべることができます。ご先祖様がいらっしゃったからこそ、二人がこの世に存在して巡り合うことができたことに感謝し、これからずっと二人でご親族様とともに歩んでいくのだという決意が芽生えます。

ご夫婦とその近しい方々だけで、こぢんまりした結婚式を挙げられるのが、お寺で和婚の魅力です。

もともとの決まりとしては親族のみが出席できるということになっているのですが、近年は数名の近しいご友人ならばご出席いただけるお寺も増えているようですので、どうぞお寺さんにご相談なさって、理想に近い結婚式を実現しましょうね。

さあ、ご両家の因縁を思い浮かべることができたところで、仏前式のシミュレーションをしてみましょう。

お寺を選ぶ基本的なルールは、まず菩提寺です。

ご両家のどちらかのご先祖様が祀られている菩提寺をまずは検討してみましょう。菩提寺で挙げることが難しい場合は、同じ宗派のお寺を探します。

それでも見つからない場合は、ご両家どちらの宗派でもないお寺を探すことになります。アンティークきものに雰囲気がぴったりのお寺がきっと見つかりますよ。

次に衣装です。仏前式のお衣装の決まりごとはほとんど無いので、あなたが着たい花嫁衣裳を認めていただけるように、ご両家で話し合いましょう。

いちばん格式が高い衣装は「白無垢」です。外側に羽織る打掛、打掛の中に着る掛下のほか、帯から小物まですべて白で揃える装いです。髪は文金高島田で烏帽子を着けます。新婦が白無垢をお召しになる場合は、新郎は黒の五つ紋付き羽織袴となります。

新婦が色打掛・引き振袖・本振袖になさる場合は、新郎は黒やほかの色の五つ紋付き羽織袴になさることが多いようです。髪には角隠しを着けるほか、お衣装に合ったヘアスタイルにしていただけます。

衣装を着けたところで、お式のシミュレーションです。

1.参列者入堂

両親・親族・来賓の順で入堂します。お堂の中には荘厳な雅楽が流れています。本尊に向かって右側に新郎の親族、左側に新婦の親族が着席します。

2.新郎新婦入堂

新郎が媒酌人に付き添われて入堂します。新婦が媒酌人夫人に付き添われて入堂します。新郎新婦が中央で出会い、正面の本尊の前に進みます。

3.僧侶入堂

僧侶が入堂します。

4.敬白文朗読

僧侶が本尊前にある礼盤に上がり、仏様とご先祖様に結婚式を行うことを報告する敬白文を朗読します。僧侶が敬白文を朗読する間は、新郎新婦は頭を垂れ、参列者は起立して聞きます。

5.念珠授与

媒酌人の案内により、新郎新婦が僧侶の前に着席します。僧侶が仏前に供えてある念珠を新郎新婦に授与します。白い念珠が新郎へ、赤い念珠が新婦へ授けられ、新郎新婦は念珠を受け取り合掌します。

6.司婚の辞

新郎新婦が夫婦の契りを交わし、僧侶が参列者に婚儀の成立を宣言します。その後、媒酌人が新郎新婦のために誓詞を朗読します。

7.焼香

新郎・新婦の順で、左手に念珠をかけたまま右手で焼香して合掌します。

8.誓杯

新郎新婦に続いて、参列者全員が親族固めの杯を交わします。

9.法話

僧侶から新郎新婦へ祝いの祈りが捧げられます。

10.退堂

一同が起立して合掌。僧侶・新郎新婦・媒酌人・両親・親族の順に退堂します。

見慣れない式次第がありましたね。

ほかの宗派の結婚式で「指輪の交換」にあたるものとして、仏前式では「念珠の授与」があります。伝統を重んじる仏前式ですから念珠の交換は必ずありますが、もしも指輪の交換を式に組み込んでほしいという希望がある場合は、事前にお寺にご相談なさってください。柔軟に対応してくださるお寺も増えてきているようです。

お寺さんにご了承いただけない場合もありますね。指輪の交換を無理に仏前式にねじ込むよりは、披露宴で指輪の交換をなさる方が、かえって盛り上がるかもしれませんよ。

ここでワンポイントです。お式に参列なさるご親族のみなさまには、お念珠を忘れずにお持ちいただくよう、招待状などでお願いしておいてください。うっかりと忘れた方のために、新郎新婦側で多めに用意しておくことをおすすめします。式の前にお声掛けなさってお貸しすると良いですよ。

さて、ご親族に思いを巡らしたところで気になるのは着席の仕方でしょう。ご高齢の方や、足腰の不自由な方もいらっしゃるでしょうから、座り方は重要チェックポイントです。

基本は新郎新婦をはじめご親族のみなさまも正座ということになりますが、最近は和室用の椅子をご用意いただいているお寺も多いようです。足腰が悪い場合などは、お寺にご確認ください。

無理なく正座ができる方にとっても、スカート丈などの衣装選びに役に立ちますので、正座か椅子かということは事前にお知らせしたいものですね。

ここで、ゆめやの婚礼衣装で仏前式の和婚を挙げられたカップルをご紹介します。

鎌倉での仏前式です。お二人の幸せなインタビューをどうぞ。

お寺の荘厳な雰囲気の中で、金や漆の朱色などの色彩とアンティークきものの調和が美しかったですね。お二人の笑顔もすてきでした。

さて、お寺で結婚式を挙げたあとは、披露宴会場に移動して披露宴を行いますか?

披露宴会場はお寺からあまり離れていないところを選びましょう。お式と披露宴を別日になさる方もいらっしゃいますが、その両方にご出席いただくご親族の負担にならないように配慮することがたいせつです。ご相談のうえしっかりと計画なさってくださいね。

和婚はしたいけれども、希望のお寺が見つからないとか、お寺と披露宴会場の移動が困難などのご不安がある場合は、仏前の挙式を扱っているホテルや披露宴会場を探してみましょう。少人数での開催でしたら、老舗の料亭などもご検討ください。僧侶が式を挙げにきてくださることもあるようですよ。

さあ、たくさんお話ししてきました。これまでの話しをまとめましょう。

・仏前式は、少人数での挙式や、静かに結婚式を挙げたいという希望にぴったり。

・花嫁の希望どおりの和婚スタイルで挙式できる。

・厳かな雰囲気の中で、親族になるという決意が芽生える。

・まずは菩提寺に相談。

・仏前式に含まれない「指輪の交換」や「友人の参列」もお寺に相談。

・着席の仕方や、会場の移動など、参列者のことを考えて決める。

・披露宴会場で仏前式を執り行っているところもある。

どうでしょうか?

漠然とした仏前式のイメージが、少しずつ現実的になってきたでしょうか?

あなたの夢を膨らませて、現実に結び付けるお助けになりましたら嬉しいです。

次回は、花嫁さんがいちばん気になる「花嫁衣裳」についてお話ししたいと思います。

花嫁衣装は、ゆめやにとってもいちばん気になるところですからね。たっぷりとお話ししますよ。どうぞ楽しみにお待ちくださいね。


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