【着物のプロ監修】結婚式に叔母として参列|服装選び・着方完全ガイド
はじめに
結婚式に招待されると、何を着て行くか迷うことが多いと思います。
特に、着物を着ていく場合は、立場などによって着用できる種類にルールやマナーがあることをご存じでしょうか。
母、叔母、妹など、それぞれの立場に合った着物の選び方は、多くの参列者の前で恥をかかないためにもとても大切です。
例えば、叔母として結婚式に参列する場合、一般的に第一選択となる留袖は、結婚式などのフォーマルな場において、既婚女性が着用する最も格式高い着物とされています。
しかし、一口に留袖といっても、色や紋だけでなく、シーンに合わせたマナーや着こなしの知識も必要です。
そこで、この記事では、結婚式で叔母として輝くための留袖の選び方から、基本的なマナー、そして着こなしのコツまでを紹介します。初めて留袖を選ぶ方でも安心して、結婚式での立ち振る舞いを楽しめるように、基本から詳しく解説していきます。
結婚式で叔母が輝く着物の選び方ガイド
結婚式は、家族間の絆を深め、新しいスタートをお祝いする大切なイベントです。
適切な服装を選ぶことで、伝統と格式を守りつつ、結婚式を華やかに彩り、自分自身を美しく魅せることができます。
ここでは、叔母として結婚式に参列する際の着物選び、特に留袖の選び方について詳しく解説していきます。
叔母としての立場と服装の重要性
冒頭で触れたように、結婚式に叔母として参列する際の、着物選びの第一選択は留袖になります。
ここでは、叔母としての立場を考慮しつつ、どのような心構えで留袖を選べば良いのかポイントをまとめてご紹介します。
- 伝統と尊敬: 留袖を選ぶことは、伝統を尊重し、自身が社会的にどのような立場にあるかを示す一つの方法です。特に、叔母は家族の中でも重要な位置を占めており、結婚式のような特別な日には、その役割を反映した服装を選ぶ必要があります。
- 選ぶべき留袖の種類: 留袖は基本的には黒地に五つ紋がついたものが最もフォーマルですが、家族の間で話し合い、結婚式の雰囲気に合わせて色留袖を選ぶこともあります。大切なのは、式の性質と自分の立場を適切に表現することです。
- マナーとエチケット: 結婚式における服装選びは、マナーとエチケットの表れでもあります。服装を通して敬意を表し、式を美しく彩る一助となるよう心がけましょう。叔母としての服装は、新郎新婦への祝福の気持ちを象徴するものであることが望ましいです。
留袖の選び方: 色と紋について
留袖は、色や紋の数によってその格式が異なりますが、基本的には黒留袖が最もフォーマルな選択肢とされています。ここでは、適切な留袖を選ぶために知っておくべきポイントをいくつか紹介します。
- 色の選び方: 叔母であれば、黒留袖の着用が無難ではありますが、親族が全員黒留袖を選ぶと華やかさに欠けるという場合は、五つ紋を付けた色留袖が黒留袖と同格となります。色留袖の色は、結婚式の雰囲気に合わせて華やかで格式を感じさせるものを選ぶといいでしょう。留袖の色(黒留袖にするか色留袖にするか)については、親族間で相談しながら決めると、親族間での衣装の統一感が生まれます。
- 紋について: 留袖には、一つ紋から五つ紋まであり、紋の数が多いほど格式が高くなります。紋として家紋を使用することで、家族の歴史や伝統を表現することができます。自身の家族の紋を確認し、適切な数の紋付き留袖を選びましょう。
ここで、ゆめやで取り扱っているお着物のレンタルセットから、叔母としての結婚式の参列に落ち着いた色合いがおすすめの、「消炭色に若松と丸紋の色留袖」をご紹介します。
こちらは、現代物の五つ紋付き色留袖です。第一礼装になります。表地は正絹ですが、裏の比翼はおそらく化繊か、化繊が混じっている生地だと思われます。若松に丸紋様が描かれていますが、この模様はプリントのようです。鶴、雲、花芯は金駒刺繍がほどこされています。着物に合わせて帯もシックな色でまとめました。
50代の叔母に似合う留袖スタイル
ここまでは叔母としての立場を考慮した留袖の選び方をみてきましたが、年齢によっても選び方のポイントがあります。
そこで、ここでは、特に50代の叔母が結婚式に出席する際の留袖選びのポイントについてご紹介したいと思います。
親族内での色合わせと統一感を出すためのポイントについても詳しく解説しますのでぜひ参考にしてみてください。
年代に合った留袖選びのポイント
50代の叔母にとって結婚式における留袖選びは、自身の品格を示すのに加えて、その装いがフォーマルな場にマッチしているかを考慮する必要があります。
以下に、50代の叔母が留袖を選ぶ際のポイントをご紹介します。
- 色の選択: 叔母として結婚式に参列する場合、黒留袖は最もフォーマルな選択肢であり、伝統的な美しさを表現できます。しかし、50代の女性であれば、淡いグレーや落ち着いた紫など、少し柔らかな色味の色留袖を選んでも良いでしょう。色選びは季節や結婚式の時間帯、さらには会場の雰囲気にも合わせることが大切です。
- 紋の種類: 留袖には家紋を入れることが一般的で、五つ紋が最も格式が高いとされています。50代の女性は、家紋が入った正式な留袖を選ぶことで、その場の格式を高めることができます。
- 柄とデザイン: 落ち着いたデザインの留袖を選ぶことが望ましいです。大胆な柄よりも、細やかな模様や伝統的な日本の美を表現する柄が好まれます。留袖の裾に描かれる風景や季節の花など、上品で控えめなデザインを選ぶと良いでしょう。
留袖の選び方は、その人の個性や結婚式のスタイルに合わせて変わります。50代女性は経験も豊かであり、自分に似合う留袖を選ぶ眼力も備えています。
上記のポイントを踏まえながら、ぜひご自分にぴったり合う留袖を探してみてください。
親族内での色合わせと統一感
結婚式での親族の装いは、個々の美しさだけでなく、一族としての統一感も大切になります。50代の叔母が親族内で色合わせと統一感を出すためには、以下のポイントを考慮するといいでしょう。
- 事前のコミュニケーション: 結婚式の前に家族や親族との間で衣装について話し合うことが重要です。特に、新郎新婦の母親や近い親族の女性は、結婚式の主要なゲストであり、その装いが結婚式全体の印象を大きく左右します。親族間で留袖の色や柄について話し合い、結婚式のテーマや会場の雰囲気に合った統一感のある装いを目指しましょう。
- 色味の統一: 完全に同じ色を選ぶ必要はありませんが、同系色でまとめることにより、親族としての一体感を表現できます。淡い色味で統一する、または、特定の色をアクセントとして取り入れるなど、工夫を凝らしましょう。
- 小物によるアクセント: 留袖の色や柄が異なる場合でも、帯締めや帯揚げ、草履とバッグを同じ色やデザインで揃えることで、親族としての統一感を演出できます。また、髪飾りやジュエリーでさりげなく統一感を演出することも効果的です。
結婚式は家族の大切なイベントであり、親族としての統一された美しい装いは、この特別な日をさらに華やかに彩ります。親族内での色合わせと統一感を出すことによって、新郎新婦へのお祝いの気持ちを形にし、美しい思い出を作ることができるでしょう。
留袖に合わせる和装小物選び
結婚式に着物を着用する際、その装いを一層引き立てるのが和装小物です。適切な小物選びは、着物の美しさを格上げし、さりげない自己表現を可能にしてくれます。
ここでは、和装小物で装いを格上げするコツをご紹介します。
和装小物で装いを格上げするコツ
結婚式などのフォーマルな場における和装では、選ぶ小物一つ一つが全体の印象を大きく左右します。ここでは、着物スタイルを格上げするための和装小物選びのコツを紹介します。
- 帯締めと帯揚げの選び方: これらは着物の印象に強く影響するアイテムです。帯締めは、着物や帯の色と調和する色を選ぶか、あえてアクセントとして異なる色を選ぶことでスタイルに変化をつけることができます。帯揚げは、帯締めよりも少し明るい色を選ぶと、顔映りが良くなります。
- 草履とバッグの選び方: 草履とバッグは、同じ素材や色で揃えることが一般的です。結婚式などのフォーマルな場では、金や銀などの光沢感のある素材が適しています。ただし、着物の色や柄に合わせて、バランス良く選ぶことが重要です。
- 髪飾りの活用: 和装の場合、ヘアスタイルにも気を配りたいところです。特に結婚式では、花やビーズ、パールを使用した髪飾りが華やかさを加えてくれます。季節感を取り入れたアイテムを選ぶと、より一層のお祝いムードが演出できます。
- 扇子の取り入れ方: 扇子は和装の際に持つだけでなく、装飾品としての役割も果たします。振るだけでなく、席に着いた際にテーブルにさりげなく置くと、洗練された印象を与えることができます。色や柄を着物や他の小物と合わせて選ぶと、全体の統一感も出ます。
これらの小物を選ぶ際には、着物とのバランスはもちろん、式の場の雰囲気や季節、自分の好みを考慮して選びましょう。
和装小物は、着物スタイルを一層引き立てる大切な要素です。結婚式という特別な日に、美しく装うためにも、ぜひ上記のポイントを参考にしてみてください。
留袖の正しい着方とコツ
結婚式において留袖を着る際、正しい着方といくつかのコツを知っておくことは、格調高い装いを完成させる上でとても大切です。留袖は日本の伝統的な礼装であり、その着こなしには特別な注意が必要です。
そこで、この章では、留袖を美しく着こなすためのテクニックと、着物初心者でもできる簡単ステップを紹介します。
留袖を美しく着こなすテクニック
留袖を美しく着こなすためには、着物の基本から応用まで、いくつかのテクニックを押さえる必要があります。特に、結婚式などのフォーマルな場で留袖を着用する際には、以下のポイントが重要です。
- 衿の合わせ方: 留袖の衿は、美しい曲線を描くように合わせることがポイントです。左衿を少し下げて、首筋の美しさを強調しましょう。これが日本の伝統的な美意識に沿った装い方です。
- 袖の扱い: 留袖の袖は、動きに合わせて美しく揺れることが魅力の一つです。袖を通す際には、手首が隠れる程度に調整し、動作一つ一つに気品を演出しましょう。
- 帯の結び方: 留袖に合わせる帯は、一般には重厚感のある袋帯が選ばれます。帯結びはシンプルながらも堂々としたものを選び、帯締めや帯揚げでさりげなくアクセントを加えます。
- 正しい歩き方: 留袖を着た際の歩き方にも注意が必要です。小さな歩幅で、ゆったりと落ち着いた歩みを心がけることで、着物の美しさが引き立ちます。
これらのテクニックを身につけることで、留袖をより美しく、かつ正しく着こなすことができます。特に結婚式は、多くの人の目に触れる場ですので、これらのポイントを押さえ、格式高い装いを心がけましょう。
着物初心者でもできる簡単ステップ
着物初心者であっても、以下のステップを踏むことで、留袖を美しく着こなすことが可能です。ぜひ参考にしながら留袖を着付けてみてください。
- 足袋と肌着の着用: 着物を着た後に足袋を履くのは難しいことが多いので、まずは足袋を履きましょう。続いて、肌襦袢や裾除けなどの肌着を着用します。これらの肌着は肌に直接触れるものなので、肌触りが良く汗を吸収しやすい素材を選ぶことが重要です。肌着は着物のシルエットを美しく見せるためにも必要です。
- 体型の補正: 必ずしも必要ではありませんが、タオルなどを腰に巻き付け、体型を補正します。着物を着る際は、あえて「寸胴」の体型にすることで、着崩れを防止します。
- 長襦袢の着用: 長襦袢は着物と肌着の間に着用する着物のことで、肌襦袢と同じように、主に肌と着物が直接触れることを防ぐ目的があります。長襦袢には色や柄が付いているものもあり、袖口や振りからチラリと見せることによって、おしゃれ感をアップさせることができます。
- 留袖の着用: 長襦袢を着たら、いよいよ留袖を着用します。着物を広げ、背中心に合わせて体に巻き付けます。まず右側を体に沿わせ、その上から左側を重ねます。左衿が上に来るようにすることがポイントです。続けて、着物の前合わせがきれいになるように調整し、腰紐を使って仮留めします。このとき、着物が開かないようにしっかりと固定します。さらに、衿元を整えましょう。女性の場合、首筋が美しく見えるように衿を拳一つ分くらい後ろに引くのが一般的です。
- 帯の締め方: 帯を着物の腰部分に巻きつけ、一度しっかりと結びます。その後、帯を美しく整え、帯結び(お太鼓結びなど)をします。帯締めを使用して帯がずれないように固定し、全体のバランスを整えます。
- 最終的な調整: 着物と帯の位置を最終的に調整し、全体のシルエットが美しく見えるようにします。衿元や袖の長さなど、細部にわたってチェックし、必要に応じて微調整を行います。草履を履き、バッグを携えれば着物スタイルの完成です。
これらのステップを順に行うことで、着物初心者でも留袖を美しく着こなすことが可能です。結婚式などの特別な日に向けて、事前に何度か練習を重ねると安心です。
結婚式に着ていく留袖はレンタル?購入?どっちがおすすめ?
ここまでで、結婚式に叔母として参列する際の、留袖の選び方についてはお分かりいただけたかと思います。
ただ、いざ留袖を結婚式に着ていくとして、留袖はレンタルすればいいのか、購入すればいいのか迷ってしまうという方も多いのではないでしょうか。
そこで、ここでは、レンタルと購入それぞれのおすすめポイントをご紹介します。自分に合った選択の一助となれば幸いです。
レンタルと購入それぞれのおすすめポイント
【レンタルの場合】
- コストパフォーマンスの良さ 特に、結婚式などの一度きりのイベント用に留袖を着る場合、レンタルであれば費用を大幅に節約できます。
- 選択肢の豊富さ: レンタルサービスは、さまざまなデザインや色の留袖を提供しており、好みやシーンに応じた選択が可能です。
- 手間いらず: 留袖のクリーニングや保管の必要がないため、イベント後の手間を省けます。
【購入の場合】
- 長期的な価値: 交友関係が広く、結婚式や正式なイベントへの出席が多い場合、何度も利用できることを考えると長期的なコストパフォーマンスは購入した方が高い場合があります。
- カスタマイズ性: 自分の体型にぴったり合わせたサイズ調整や、家紋などの個人的なカスタマイズが可能です。
- 資産や思い出としての価値: 家族への遺産として留袖を残すことができ、世代を超えた大切な記念品となり得ます。
ここで、ゆめやで取り扱っている色留袖のレンタルセットから、「ジャスパーグリーンに扇の手刺繍の色留袖」をご紹介します。
こちらは、ジャスパーグリーン色のぼかしがほどこされた正絹地に、ドロンワークの手刺繍でたくさんの扇が描きだされた、現代物の一つ紋付き色留袖です。扇の中には菊、牡丹、七宝、亀甲などの吉祥紋様が、細かい手刺繍で豪華にほどこされています。扇の色に取りいれられた黄色系の帯を結んで、やわらかくまとめました。
まとめ
この記事では、結婚式で叔母として輝くための留袖選びについてさまざまな視点からご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
叔母として結婚式に参列する場合、第一選択は黒留袖ですが、親族間の衣装のバランスによっては、場にふさわしい色柄の色留袖を選択することもできます。
留袖を着用するためにはレンタルと購入、どちらの選択肢もそれぞれのメリットがあり、自分のニーズに合わせた選択が可能です。
重要なのは、結婚式の場や自分の立場にふさわしい留袖を選ぶこと、そしてそれを美しく着こなすことです。
本記事が、皆さまの留袖選びの一助となり、結婚式という特別な一日をより特別なものにすることを願っています。
〈参考記事〉
https://www.niwaka.com/ksm/radio/wedding/clothes/kimono/08/
https://kimono-rentalier.jp/column/wedding/wedding-kimono-shinzoku-tomesode/
https://www.gogo-wedding.com/niece-nephew-dress-manners/
https://www.haregino-marusho.co.jp/contents/irotomesode/2751.html
https://kimono-rentalier.jp/column/tomesode/wedding-tomesode-shinzoku/
https://kimono-kaitori-okami.com/basic-knowledge/irotomesode/