薄藍色に金泥の波、花の振袖【fui09】

【着物のプロ監修】結婚式用レンタル着物&着付けサービス選びの秘訣とは?

はじめに

結婚式は、人生において記憶に残る華やかな一日です。そんな特別な場にふさわしい装いとして、多くの方が着物を選びます。

しかし、着物選びやレンタルの方法、さらには着付けに至るまで、初めての方には分からないことがたくさんあると思います。

この記事では、そんな疑問を一つひとつ丁寧に解決していきます。

結婚式で着る着物の種類から選び方、レンタル店の選び方、そして美しい着姿をかなえる着付けのコツまで詳しくご紹介していきます。

結婚式の着物レンタル入門:失敗しないための全知識

結婚式に着物を着ていきたいけど、どうやって手に入れたらいいのか分からないという皆さまへ。

ここでは、結婚式の着物のレンタルについての基本的な情報から、失敗しないためのポイントまで詳しく解説していきます。

予約はいつする?レンタルのタイミングと予約のコツ

レンタル着物は、特に結婚式の日程や人気のシーズンによっては早くから予約が埋まってしまうことがあります。そのため、早めの予約がポイントです。

特に結婚式シーズンや土日祝日は混雑する傾向があるため、余裕をもって行動しましょう。

予約時には、レンタル料金やサービス内容、キャンセルポリシーなどをしっかりと確認しておきましょう。

事前に確認することで、当日に慌てることなく、安心して着物を着ることができます。

着物レンタル店の選び方

数多くのレンタル店の中から自分のニーズにぴったり合うお店をどうやって選べばいいのでしょうか。

以下では、初心者の方向けに着物レンタル店の選び方のポイントをご紹介します。

【店舗の特色や品揃えを確認する】

  • 結婚式専門のレンタルショップなら、留袖、色留袖、振袖など、結婚式に適した着物の選択肢が豊富です。
  • アクセサリーや小物の品揃えが豊富な店舗もなら一式を一カ所で揃えられます。

【ウェブサイトやカタログ、口コミを参考にする】

  • 店舗の写真やカタログで、着物の種類やデザイン、色のバリエーションをチェックしましょう。
  • 口コミを読んで、店舗の評判や顧客満足度を確認しましょう。

【予算に合ったレンタルプランがあるか確認する】

  • 自分の予算に合ったレンタルプランを提供している店舗を選びます。
  • 追加料金やオプションサービスの有無も確認しておきましょう。

これらのポイントを押さえることで、自分に合った着物レンタル店を見つけることができるでしょう。

試着のススメ

着物を選ぶ際には、実際に試着することがとても大切です。着物や帯、小物の組み合わせを直接確認することで、式当日のイメージをより具体的にすることができます。

また、体型にぴったり合う着物を見つけることもできますし、着心地や動きやすさをチェックすることもできます。

さらに、試着を行うことで、予期せぬトラブルを避けることができます。例えば、着物のサイズが合わない、思っていた色やデザインと違うといったアクシデントを避けられます。

試着をする際は、式当日に身につける予定のヘアスタイルやアクセサリーに近いスタイルで行うと、より具体的なイメージがわきやすくなります。

快適で美しい着姿で式当日を迎えられるよう、納得のいくまで検討を重ねることが大切です。

立場や年代別:参列者にふさわしい着物の選び方

結婚式では、留袖、色留袖、振袖といったさまざまな種類の着物が選ばれますが、立場や年齢などによって選び方が異なります。

この章では、これらの着物の特徴と、どのような場合にどの着物を選ぶべきかについて詳しく解説します。

新郎新婦の直接の家族や親族の場合

直接の家族や親族は、結婚式における最も重要な立場にあります。この場合、格式高い留袖を選ぶのが一般的です。

留袖の柄は通常、裾に向かって豪華に描かれ、上品ながらも華やかな装いを演出します。黒地に五つ紋が入った黒留袖が最も格が高く、主に直系の親族(母親や祖母)が着用することが多いです。

母親や祖母ほど近くはない親戚の場合、色留袖も選択肢に含まれます。

黒留袖ほど厳格ではないものの、家紋を入れることができるため、結婚式などの格式を求められる場にもふさわしい装いを実現できます。

色留袖は柄や色によって季節感を表現することもできるため、親族席に彩を添えたいといった場合にも重宝するでしょう。

友人や遠縁の親族の場合

新郎新婦の友人や遠縁の親族であれば、式の雰囲気を壊さない範囲で少しカジュアルな着物を選ぶ余地があります。訪問着色無地の着物は、このような立場の人々に適しています。

訪問着は色や柄のバリエーションが豊富で、格式の高い結婚式でも少しカジュアルな結婚式でも対応可能な着物です。色無地は名前の通り、無地の着物で、シンプルながらも上品な装いが実現できます。

年代や結婚の有無に応じた選び方

未婚の若い女性は、その若さと華やかさを表現するために未婚女性の正装である振袖を選ぶことが多いです。

振袖は袖が非常に長く、優雅さを演出できます。また、色と柄の選択肢が豊富で、明るく鮮やかな色彩や大胆な柄も特徴的です。

一方、既婚女性色留袖、訪問着など、より落ち着いた装いが求められますが、着物の選択においては個人のスタイルや好みを反映させることも大切です。

例えば、色留袖や訪問着では、落ち着いた色味の中にも個性を表現できる柄やデザインを選ぶことが可能です。

ここで、ゆめやで取り扱っている振袖のレンタルセットから、結婚式にもぴったりの「薄藍色に金泥の波、花の振袖」をご紹介します。

こちらは、菊、桜、梅が、ブルー地に良く映え、永久に続く波が金泥(きんでい)で表された、アンティーク色振袖です。

金色の菊や赤い菊、桜などが着物の青地によく映えて配置されており、波にも花が舞っています。帯はおめでたい文様として、振袖や帯によく使われる亀甲柄のものを選びました。

着付けのイロハ:初心者も安心の基本知識

結婚式で着物を着用する際、美しい着姿を作るためには、着付けの基本知識が必要不可欠です。

特に着物初心者の方にとって、着付けは少し難しく感じるかもしれませんが、基本的なポイントをおさえておけば、当日も安心して迎えることができます。

ここでは、着付けをする前に準備しておくべきこと、そして美容室での着付け予約のコツについて、初心者の方にもわかりやすく解説します。

着付け準備完全ガイド:何が必要?

着付け準備に必要なアイテムを以下でご紹介します。

  • 着物と帯:着付けの基本となる着物と帯を用意する。
  • 体型を整える補正用のタオル:着物が美しくフィットするように、体型を整えるためのタオルを準備する。
  • 腰紐:着物を身にまとう際に必要な位置に固定するため、数本の腰紐を用意する。
  • 帯枕と帯締め:帯枕は帯の形をきれいに保つために使用し、帯締めは帯をしっかりと固定する役割がある。
  • 肌着と足袋:肌着は着物と肌との間に着用し、着物が直接肌に触れるのを防ぐ。足袋は和装に欠かせない足元のアイテムで、着物の雰囲気に合わせて選ぶ
  • 小物類:結婚式などの特別な日には、着物に合わせた小物選びも大切。髪飾りやバッグ、草履を着物の雰囲気に合わせて選ぶことで、全体の印象を引き立てる

着付けの準備をする際は、これらのアイテムを事前にしっかりと用意し、必要なものがすべて揃っているか確認しておくことが大切です。

当日の準備をスムーズに進めるために、着付けに必要なアイテムを把握し、万全の状態で臨みましょう。美しい着物姿で、結婚式当日を迎えられるよう、入念な準備を心がけてください。

美容室の選び方と予約のコツ:失敗しないために

着付けやヘアメイクは、着物の装いの出来を左右する大切な要素です。着付けもヘアメイクも自分でやるには不安という場合は、プロにお任せするのがおすすめです。

美容室選びでは、着付けの経験が豊富なスタイリストと和装に合わせたヘアメイクが得意なスタッフの在籍を確認しましょう。

予約は早めに行い、着付けとヘアメイクの希望を伝えておくことがポイントです。口コミやレビューを参考にし、事前の試着やヘアメイクの相談ができるかも確認しておくと安心です。

美容室との綿密なコミュニケーションを通じて、理想の着付けとヘアメイクを実現し、結婚式当日の完璧な装いの準備をしましょう。

着物スタイルを格上げ!小物使いの秘訣

結婚式での着物スタイルを一層引き立てるためには、小物選びも大切です。着物一つを選ぶだけでも大変なのに、小物まで気を配るのは大変かもしれません。

しかし、ちょっとした工夫と知識で、着物スタイルを格上げすることができます。ここでは、着物コーディネートの基本と、小物で差をつけるコツについてご紹介します。

着物コーディネートの基本

着物を選んだら、次に考えるべきは帯選びです。着物と帯の組み合わせは、コーディネートの基本中の基本。帯は着物の色や柄を引き立てるものを選ぶと良いでしょう。

また、帯結びも大切なポイントです。帯結びにはさまざまな種類があり、結婚式などのフォーマルな場では、華やかな「二重太鼓」が一般的です。

小物選びでは、帯締めや帯揚げ、草履やバッグも忘れずに。これらの小物は、全体のコーディネートをさらに引き締める役割を果たします。色や柄、素材を着物や帯と合わせることで、統一感のある装いになります。

小物で差をつける

小物でコーディネートに差をつけるには、個性を活かすことがポイントです。髪飾りや草履の色、デザインを変えるだけで、着物スタイル全体の印象が大きく変わります。

選ぶ際は、まず基本のアイテムを揃え、徐々に自分の好みのアイテムを加えていくのがコツです。

フォーマルな場では落ち着いた色やシンプルなデザインを、カジュアルな場では色鮮やかなものや個性的なデザインを取り入れると、シーンに合ったコーディネートが完成します。

着物スタイルを格上げするための小物使いは、無限の可能性を秘めています。自分だけのスタイルを見つけて、楽しんでみてください。

結婚式の着物マナー完全マスター

結婚式に着物を着て出席するときは、ただ美しく着飾るだけでなく、適切なマナーを守ることも大切です。

着物はその着方や所作によって、その人の品格を示す文化的な衣装。特に結婚式のような格式高い場では、着物を着ることの意味がより一層重要になります。

ここでは、結婚式における着物での正しい振る舞いと、着こなし術について解説します。

着物での正しい振る舞いとは?

着物を着る際には、以下のような点に注意しましょう。

まず、立ち居振る舞いが大切です。背筋を伸ばし、落ち着いた動作を心がけること。着物は洋服と違って動きが制限されるため、急な動作は着崩れの原因になります。

また、席につくときは足をそろえて横にスライドするように移動し、座る際にはまず膝をつき、後ろにゆっくりと下ろします。これにより、帯や着物への負担を減らし、美しい着姿を保つことができます。

着物を着た際には、手元や足元も目立ちますので、所作一つ一つに気を配ることが求められます。

食事をする際には、袖が料理や飲み物に触れないよう注意しましょう。また、人と話す際には、直接相手の目を見て、落ち着いた口調で話すことが大切です。

結婚式での着物の着こなし術

結婚式で着物を選ぶ際には、色や柄に特に注意を払う必要があります。特に白色や派手すぎる柄の着物は、結婚式では避けたほうが良いでしょう。

白色は、伝統的に新婦が着用する色であり、参列者が白い着物を着ることはマナー違反とされています。これは、主役である新婦を引き立てるための配慮です。

また、派手すぎる柄の着物は、結婚式という厳粛な場にふさわしくないと考えられがちです。結婚式は、新郎新婦の新しい門出を祝う場であり、参列者の服装もその雰囲気に合わせることが求められます。

結婚式にふさわしい着物の柄としては、落ち着いた色合いのものや、控えめながらも上品な柄を選ぶといいでしょう。例えば、淡い色彩の小花柄や、伝統的な吉祥柄などがおすすめです。

ここで、ゆめやで取り扱っている訪問着のレンタルセットから、「白地にオシドリと青い鳥の訪問着」をご紹介します。

白というよりも、クリーム色に近い落ち着いた色ですので、結婚式でもお召しいただけます。

こちらは、NHK連続テレビ小説「花子とアン」でも着用された、正絹の白地に鳥と牡丹、藤が手描きされたアンティーク訪問着です。

牡丹、藤、菊、撫子が描かれた中に、オシドリのつがいが一組と、若いコバルトブルーの鳥が三羽遊んでいます。

筆運びの繊細さと、構図の良さから、作家物であることがうかがえる作品です。落款も付いています。帯も、白い正絹に、小箱や筒状の入れ物が織りで施された袋帯を合わせました。

まとめ

結婚式に着物を着て出席することは、日本の美しい文化の一つを体験する素晴らしい機会です。

この記事を通じて、着物の選び方から着付け、マナーまで、結婚式での着物に関する基本的な知識をお伝えしました。

着物を着る際は、準備と心構えが大切です。小物一つを選ぶにしても、その着物に合ったものを選ぶことが、全体のコーディネートを引き立てます。

また、正しい振る舞いを心がけることで、より品格のある装いとなります。

この記事が、結婚式で着物を楽しむための一助となれば幸いです。どうぞ、美しい着姿で結婚式を楽しんでください。

著者情報

ゆめや通信編集部

執筆者

この記事はゆめや通信編集部が執筆しています。編集部では、企画・執筆・編集・入稿の全工程を担当・チェックしています。
田村芳子プロフィール画像

監修者 田村芳子

「アンティークきものレンタルゆめや」店主 着物コーディネート・着付け・和裁歴50年余。1985年に「アンティークきものレンタルゆめや」を創業。多くの人にアンティーク着物を着て頂くため、日々接客やコーディネート、着物の手入れを行っています。

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