ゆめやの婚礼:仏前式・いろはの「は」〜黒引き振袖は着られるの?
白無垢・色打掛と来て、今回はお待ちかねの振袖のお話しです。
歴史と日本の伝統美を感じさせてくれるお寺での和婚には、振袖も抜群に似合います。
振袖は袖の長さで格が違うことはご存じでしょうか。いちばん短いのが小振袖で袴と合わせて卒業式で着るサイズです。成人式や結納などで着る中振袖は袖の長さが95cm~115cmほどになります。大振袖は袖の長さが115cm以上で、花嫁衣裳としてはこの大振袖を着用します。
成人式などで着る現代ものの振袖とは違い、袖や裾には真綿が詰められ、ふっくらとした「ふき」があるのが花嫁衣裳の魅力です。
ゆめやでご用意しているアンティークの振袖は、裾のふっくら加減が極上ですよ。まずはご覧になってみてください。
海辺の松の木に鶴が舞い降りる、五つ紋付きアンティーク黒振袖。手刺繍・金駒刺繍・金泥・銀泥がたっぷりとほどこされ、優美で豪華な絵柄です。鶴と松は花嫁衣裳にぴったりの絵柄ですよね。たっぷりとした裾のふきと、赤い比翼が、花嫁を引き立てます。
着付けの方法は、おはしょりを取って着付ける方法と、おはしょりを取らずに裾を引きずって着付ける方法があります。おはしょりを取らない着付け方を、引き振袖やお引きすりと呼びます。
引きずった裾が、まるでドレスのような雰囲気で、花嫁の動きも優雅になりますし、見ているお客さまもうっとりと見とれてしまいます。
振袖にはカラフルなものや黒などさまざまな色がありますが、その中でも黒は江戸時代から続く正式な婚礼衣装です。黒振袖が、「ほかの誰の色にも染まらない」色として黒い振袖が大人気になったのは、大正時代から昭和初期にかけてです。伝統があるからこそ、古い日本のお寺や庭園と相性が良いのですね。
著者情報
執筆者 ゆめや通信編集部
この記事はゆめや通信編集部が執筆しています。編集部では、企画・執筆・編集・入稿の全工程を担当・チェックしています。
監修者 田村芳子
「アンティークきものレンタルゆめや」店主
着物コーディネート・着付け・和裁歴50年余。1985年に「アンティークきものレンタルゆめや」を創業。多くの人にアンティーク着物を着て頂くため、日々接客やコーディネート、着物の手入れを行っています。
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