空色の総絞りに波、菊、雲取紋様の振袖【fui03】

空色の永久に続く波と、雲取り文様の中に花菱の吉祥文様が、娘の幸せを願う親心のように揺れています。ご縁があり、大阪は船場から譲り受けた、現代物の総絞りの色振袖です。青海波柄も、辻が花のような梅の花びらも、すべて手絞り、手刺繍が施されています。花びらの渕は「ぼかし」のように染め分けられています。たいへん根気のいる作業だったことでしょう。想像がつかないほどです。職人さんの熱量を感じるきものです。

帯は、とっておきの龍村美術の帯を合わせました。きものに馴染まれている方はお分かりだと思いますが、「いつかは龍村の帯を結びたい」と思うほどの龍村美術です。きものが、総絞りの手間のかかった素晴らしいものなので、格を合わせて、龍村美術の帯を出してきました。花や葉の柄が、唐草のように渦巻く感じで織られています。たいへん細かく緻密な織りです。ほわっとした水色のきものに対して、ずっしりと重みのある青を合わせました。品のある組み合わせになりましたね。

きものも帯も、ちょっと渋めの色合いなので、明るい色の帯揚げを組み合わせて、華やかな印象にしました。写真では水色にしましたが、きものにたくさんの色が使われておりますので、黄色、クリーム色のほか、赤、ピンクなどでも似合うと思います。

振袖も最高。龍村の帯も最高。ゆめやとっておきの組み合わせです。きものがお分かりの方にこそ、ぜひ選んでいただきたい逸品です。ご親類やご友人の結婚式にも、成人式、卒業式にも相応しい装いです。人生の記念の日に、どうぞお召しになってください。