白地の本紋に大きな更紗模様の色振袖【fui108】

本紋は紗綾形に菊と蘭が織り出されているのですが、このきものは菊と唐草でしょうか。ちょっと珍しい柄ですね。白い正絹地に織り柄がゆらゆらと浮かび上がって、上品な光沢を放っています。

手描きと金駒刺繍で描き出されたのは更紗柄ですね。インド発祥で、ペルシャ絨毯やペルシャの織物でよく見られる模様です。大きく描かれていますね。後ろ姿にはさらに大きく描かれているのですよ。

更紗が日本に伝わったのは江戸時代とされていますが、高級品であったため上流階級にしか広まらず、また、日本文化とかけ離れた派手さと大胆な色柄だったため、小さなものだけが普及していたそうです。

その後、日本風のアレンジが加えられるようになり、友禅の技法にも接しながら、日本独自の更紗に生まれ変わっていきました。ですが、いかに日本風になったとはいえ、更紗の大胆さは残したままでしたので、きものの柄として取り入れられるようになったのは戦後になってからです。

日本風になったけれども、やはり大胆な更紗柄です。背が高いかたがお召しになったら着映えがするでしょうね。身丈が１７１cmありますので、身長が１６６～１７６cmほどのお嬢さんにゆったりとお召しいただけます。

裏地は紅絹で仕立てられ、家紋は入っていません。表の白地は汚れもなく、きれいなままで譲り受けました。アンティークというほど古くはないのですが、レトロ感たっぷりの色振袖です。成人式で大胆に装ってみてはいかがでしょうか。