黒白菱形紋様に金色草花柄の振袖【fui11】

菱形の白と黒が、ずっと同じ間隔で繋がり、全体に施された小花の柄は、気の遠くなるほど細かい手作業です。上前のところだけ、オレンジと金色の金駒刺繍がしてあり艶やかです。他の部分には、金駒刺繍はしてありませんが、金泥で草花が描かれています。たいへん凝った造りです。全体的には、小紋に適したきものだと思いますが、あえて振袖にしたところがおしゃれですね。

帯は、黒地に、束ね熨斗と松が描かれています。熨斗目に描かれた小花も、金糸、白糸、金色がかった茜色を使い、細かく手刺繍されています。この帯は、このきものとぴったり合うと思い、変わり文庫に結んでみました。菱形のきもの柄に対して、丸い感じの帯のコーディネートです。

また、帯留めは、無病息災の瓢箪に螺鈿です。これも麻布のおひいさまの所からゆめやに譲り受けました。たいへん手間のかかる造りです。帯揚げは、右と左の色が違う、総絞りのぼかしの帯揚げです。

さらに、重ね衿は、ゆめやオリジナルで、赤味の強いオレンジ系の絞りを入れてみました。これでまた雰囲気が違ってきますね。