落ち着いたピンク地に花唐草が描かれた色振袖【fui57】

神奈川の方から譲り受けたアンティーク色振袖です。おそらく昭和の初めころの作品なので、アンティークとまでは言えないかもしれません。レトロというところでしょうか。昭和ということで、家紋も入っていません。昔は振袖にも紋を入れていましたが、昭和にはその習慣は無くなりましたのでね。

紗綾型が地紋様として織り出された正絹に、花唐草が金泥と手描きでほどこされています。なんの花でしょうか、菊のようでもあり、牡丹のようでもありますが、洋花にも見えますね。花が特定できないというところが、花唐草模様の特徴でもあります。

インドで発祥し、中国大陸から日本に伝わったとされる花唐草模様は、１７～１８世紀の日本で大人気でした。仏教装飾はもちろん、漆や木の工芸品、染色、伊万里焼などで目にする機会も多いですね。ちなみに花が無いものを唐草模様といいます。

この振袖は花唐草。ピンクのまろやかなレトロ感が上品ですね。ピンクの地色に赤い花が目立つのですが、ブルー、グリーン、グレー、紫などの寒色が効いていて、可愛らしい中にも大人っぽさのある絵柄です。身丈が１６９cmありますので、身長が高い方でも大丈夫ですよ。

帯は現代物ですが、レトロ感あふれる帯をコーディネートしました。深みのあるブルーグリーンの地に、金糸の手刺繍がほどこされた大人っぽい帯です。きものがふんわりとしているので、このくらいしっかりした帯が合いますね。

成人式にも、花嫁さんにもおすすめです。