ブルーのぼかしに花々が総絞りで描かれた色振袖【fui58】

総絞りの色振袖です。総絞りですよ、めったにお目にかかることはありません。目が点になりそうなくらいの細かい鹿の子絞りで、ぼかしも入っているという手の込みようです。

総絞りがどのくらい凄いことかっていうと、一度やってみたら分かるのですが・・・。インターネットなら動画が公開されているかもしれません。ぜひ一度見てみてください。

まず、白い生地に絵を描いて、絵の通りに絞るわけです。１つの絞り粒に４回糸を巻きます。そして色を入れます。色を入れた後にこれをほどす作業があるわけです。このほどすのがまた大変。これを色の数だけ繰り返します。振袖ですから１６mですね。総絞りということは、すべて絞るわけです。なんと２２万粒もやるのだそうです。

絞りが終わったら、裏地にすごく薄い正絹生地を斜めに縫って留めていきます。これでやっと反物ができあがり、いよいよ仕立てにはいります。ですからね、総絞りの振袖というのは、何百万円もする高級品です。一般市民にはなかなか作れませんね。

この振袖には龍村の帯を合わせてみました。「いつかは龍村」と、きもの愛好家が憧れる龍村の帯、６０年ほど前の作品です。鶴が舞っていますね。きもののぼかしと、鶴のグラデーションの雰囲気があっていて、高級感が増しますね。

帯揚げ、帯締めは現代物ですが、前身頃のブルーと揃えてコーディネイトしました。帯に描かれた鶴のブルーとも揃っていて、前が全部ぴったりと合いましたね。

成人式はもちろん、どのようなお席に着て行っても間違いのない、きものと帯です。