茜色に大きな檜扇が舞う小振袖【hak62】

錦紗縮緬ですが、ちょっと厚手のしっかりとした良い生地です。訪問着として着ていただくほか、袴の中のきものとしてもお召しいただけるサイズです。

衿は広衿ではなくバチ衿ですね。広衿は衿の２倍の幅で仕立てられていて、着付けるときに２つに折り曲げます。折る幅が調整できる上に、胸元の生地が２倍になってふんわりと膨らみますので、広衿で仕立てるきものがほとんどです。

それに対してこのきものはバチ衿で仕立てられています。首の後ろが５センチ半ほどで、胸元のほうは７センチ半ほどになっています。その形が三味線のバチに似ているところから、バチ衿と呼ばれるようになりました。イメージしやすいのは浴衣の衿でしょうか。すっきりとして着付けやすく、また衿が１枚ですので涼しく過ごすことができます。

地色が美しいですね。茜色といって、真っ赤ではなく、ちょっと抑えた色で、あずき色よりは明るいです。アンティークらしい、程良い赤さ加減です。そこに舞う檜扇が大きく華やかなこと。袴で半分隠しても、十分な華やかさがあります。袖丈が７５cmですので、袴とのバランスも良いでしょう。

訪問着としてお召しいただくと、たいへん幸せな気分になりそうな色柄です。袴の中に着ていただくと、目立ちますよ。可愛さ倍増です。卒業式にいかがですか。