からし色の市松に花丸紋様の小振袖【hou36】

大正時代から昭和にかけての、袖丈が長めの作品です。金沢には良いきものが残っていますね。空襲が無かったからでしょう。ありがたいことです。この見事なきものと帯は、大正時代からずっとお蔵に入って残っていました。良いものと巡り合えました。手描き友禅に、手刺繍、なんとも見事な小振袖です。

帯には、何度も針を通して結ぶことを繰り返す、大変手間のかかる相良刺繍が両面に施してあり、見事としか言いようのない素晴らしい帯です。相良刺繍だけの帯というのは、なかなかお目にかからないのですが、帯を結ぶと見えなくなるところまで、相良刺繍だけで、手を抜かずに刺繍が施されています。

袴をお付けになって、卒業式にお召しいただいても素敵です。でも、このように熟練の手仕事が施された作品は、すべてを見ていただきたいですよね。