桃色に牡丹や菊舞う七歳祝着【kod34】

手描きされた花々の力強さと、「ほわ～」っとした地色に惚れて、大人用のアンティーク訪問着を、七歳の祝着に仕立て直しました。もとの訪問着は京都のお蔵から出てきたもので、ご縁があってゆめやで譲り受けることができました。

女の子はピンクが好きですよね。ピンクはピンクでも、現代のものとは違い、アンティークのピンクには風合いがあります。なめらかな正絹の質感と、深みのある「ほわ～」っとしたピンク色が、落ち着きのある雰囲気を醸し出しています。絵柄も丁寧に手描きされていますね。バラ、桜、菊、牡丹、梅、ダリアなど、現代物のプリントとは一線を画す、昔の熟練した職人による手描きは、柔らかく上品です。繊細な刺繍も随所に見られます。菊の雄しべ、雌しべや、梅の花粉など、芸が細かいとはこのようなことをいうのでしょうね。

裾回しには、きものと合う雰囲気の、総絞りの羽織の生地を探してきました。裾がめくれたときに、流れるような花々の淡い絵柄が見え隠れし、いっそう深みのある味わいになります。

きものと同じ生地で、帯とバックもゆめやで誂えました。帯は文庫系に結ぶと可愛いですね。

正絹は軽くてやわらかいですので、お嬢さまも窮屈に感じることはないと思います。可愛らしい草履やぽっくりを履いて、七五三にお出掛けください。現代物のピンクとは比べ物にならない、たいへん落ち着いた祝着です。人目を引くこと間違いなしですよ。