赤地にピンク色の雲取と、御所車や四季の花の三歳祝着【kod53】

なんとも華やかで女の子らしいきものです。お宮参り用のアンティーク掛けきものですが、3歳の七五三はもちろん、その前の風習であるお食い初め、初節句、初誕生にもお召しいただきたいきものです。

たくさんの花々と、御所車、檜扇、鼓、貝桶、毬、風ぐるまが、丁寧に手描きされています。花々は、松、竹、梅に、桜、菊、梅、藤、桐など、数えれば切りがないほどです。ひねり梅、七宝、亀甲、鹿の子も見えますね。おめでたい吉祥柄で埋め尽くされ、たいへん華やかです。

描かれた毬は、ただのおもちゃではなく、たいせつな意味が込められています。きものに描かれる毬は「御殿毬」と呼ばれます。平安時代のお姫さまは、5歳や7歳という幼さでお嫁入りしていました。幼い姫が、嫁ぎ先でひとりでも遊べるようにと、母親や女中たちが、きものをほどいて毬に巻いたり、刺繍をほどこして持たせたそうです。姫さまも毬を見て御実家を思い出されていたことでしょうね。また、丸い形をしていることから、「何事も丸く収まりますように」「丸々と健やかに成長しますように」との意味も込められています。

このきものは、真夏にはお召しいただけませんが、七五三の季節を中心に、春までの長い期間お召しいただけます。正絹ですので、軽くて、柔らかくて、温かく、お子さまもさぞ気持ちがいいだろうと思いますよ。袂の丸さ加減も可愛らしいですね。胴裏は赤、裾はピンクで、表は赤い地にピンクです。着映えのするたいへんおしゃれなきものです。