クリーム色やピンク色にも輝く、鶴と花々の白打掛【utk19】

織りと手刺繍だけで、これだけの表現ができるなんて、アンティークの正絹は奥行きがありますね。

やや濃いめの生成りの正絹地に、金糸・銀糸が織り込まれて、きもの全体が輝いています。ゆめやの白打掛は、おとなしくて上品なものが多かったのですが、こちらは華やかですよ。

式場ではライトが当たりますし、外では日光が当たりますので、さらに輝くことと思います。たいへん明るいイメージの白打掛ですね。光の当たり具合によって、クリーム色に輝いたり、ピンク色に輝いたりいたします。

もともと正絹の糸は輝いているものでして、平織りしただけでも、ぬめぬめとした光沢があります。お蚕さんの三角形の口から吐き出された糸は、長い三角柱の形です。この三角の面に光が当たってプリズム効果で輝くのですよ。もともとの正絹の光沢に加えて、輝く糸が織り込まれていますのでね、贅沢な、夢のような艶ときらめきです。

描き出されたのは鶴ですね。花嫁衣裳にはもちろん鶴です。きものから浮き上がって、今にも羽ばたきそうですよ。上を向いて、新しい世界に飛んでいこうとしている鶴です。背中の鶴もいいアングルですね。帯のふくらみと合わせて、立体的に感じられます。

鶴のまわりには、アヤメ・牡丹・小菊と撫子かな。竹もあります。隙間がないくらいたくさん描き出されていますよ。華やかですね。

かわいらしい花嫁さんにも、すっとした上品な花嫁さんにも、大人っぽい花嫁さんにも、お似合いの白無垢です。