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【着物のプロが監修】振袖に似合う草履の選び方&バッグとの合わせ方

はじめに

成人式や結婚式など、特別な日を彩ってくれる振袖。そんな振袖を着用する際に意識したいのが、帯や草履、バッグといった小物のバランスを意識することです。和装の美しさを最大限に引きだすためにも、振袖自体のデザインだけでなく、小物の選び方にも注意を払うことが重要です。

そのなかでも今回注目したいのが、足元を彩る「草履」です。草履は、履物としての役割だけでなく、コーディネートを考える上でも重要なため、振袖とのバランスを考え、適切に選ぶ必要があります。

そこで今回は、振袖に合った草履の選び方について詳しくご紹介していきます。成人式などに向けて、振袖に合わせて草履を選びたいという方は、ぜひ参考にしてください。

振袖に合う草履の選び方

草履の色とデザインを選ぶポイント

草履の色とデザインは、振袖全体の印象を左右する重要な要素です。自分の好みはもちろん、振袖の色やデザインとの調和を考えて選ぶようにしましょう。以下に、草履の色やデザインの選び方についてご紹介します。

  • 振袖の色と合わせる: 振袖の基調となっている色に合った草履を選ぶと、統一感が出ます。
  • 振袖のアクセントカラーを取り入れる: 振袖に使用されているアクセントカラーを草履で取り入れると、洗練された印象になります。
  • 金色や銀色などの草履を選ぶ: 金色や銀色を基調とした草履は、ほとんどの振袖に合わせやすく、華やかさをプラスしてくれます。
  • デザインを合わせる: 古典柄の振袖には古典柄の草履を合わせる、といったように振袖と草履のデザインの系統を合わせると、まとまった印象になります。

ゆめやでは、アンティーク振袖と一緒にお選びいただける草履を豊富にご用意しています。一例として画像左「金地に織りの鼻緒の礼装用草履」は、どんな色柄の振袖にも合わせられる万能な草履です。金色で足元まで上品な印象に。中央「白地に紫色の鼻緒、桜絵の草履」は、サイドと鼻緒に手刺繍で桜が描かれています。振袖のカラーに合わせたり、差し色として取り入れたりと幅広いアレンジが可能です。右側の「ブルーと黒にドット柄の鼻緒、椿の手刺繍の草履」は個性的な一足。ブルー系だけでなく、モダンな柄の振袖に合わせてもかわいいですよ。

草履のサイズと履き心地

草履を選ぶ際は、見た目の美しさだけでなく、履き心地も重要です。以下に、サイズと履き心地のポイントをご紹介します。

  • サイズの選び方: 草履のサイズは、足の大きさに合わせて選ぶのが基本です。足のサイズに合わない草履を選ぶと、歩きにくくなったり、足が痛くなったりしてしまいます。特に、長時間着用する場合は、快適に過ごせるサイズを選択しましょう。
  • 草履の高さ: 草履の高さは、TPOに合わせて選びます。フォーマルな場面は5cm以上のものを、カジュアルな場面は5cm以下を目安に選ぶとよいでしょう。
  • 鼻緒: 鼻緒はきつすぎるのはもちろん、ゆるすぎるものも避けましょう。素材も柔らかいものを選ぶと足が痛くなりにくいです。

振袖に合う草履を選ぶ際は、見た目の美しさと履き心地の両方を考慮しましょう。自分に合った草履を選ぶことで、特別な日をより楽しく、快適に過ごせます。

草履の種類と特徴

草履の違いを知る

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草履にはさまざまな種類がありますが、大きく分けるとフォーマル用とカジュアル用に分かれます。以下では、フォーマル用とカジュアル用の草履の違いについて、その特徴をご紹介します。

フォーマル草履

  • フォーマルな場面で使用される草履は、高級感のある素材が使われているほか、金色や銀色、白色などの色を使っていることが多いです。
  • 台は高めで、華やかな印象を与えます。

カジュアル草履

  • 日常使いや少しカジュアルな着物に合う草履です。
  • 色や柄も豊富で、個性を表現しやすいです。

このように草履は、フォーマル用とカジュアル用とに分かれます。草履の種類を知っておくと、振袖を着るとき以外も、どんな草履を合わせればよいのかイメージができますよ。

振袖に合わせる草履は?

ここまで、草履にはフォーマル用とカジュアル用があるというお話をしましたが、振袖には、どちらの草履を合わせればよいのでしょうか。

振袖は、未婚女性の第一礼装にあたる格式の高い着物のため、草履もフォーマル用のものを選びましょう。ただし、振袖用の草履は、一般的なフォーマル用の草履よりも華やかなものも多いです。振袖の色や柄などとのバランスを考え、相性が良いものを選んでください。

振袖に合わせるバッグの選び方

振袖に合わせるバッグ

振袖を着る際は、バッグの選び方も重要なポイントです。バッグは、草履とセットで販売されていることも多いです。草履と同様、振袖コーディネートの見た目を左右するアイテムですから、慎重に選びましょう。ここでは、振袖に合わせるバッグの選び方についてご紹介します。

色と柄の選び方

  • 振袖の色や柄に合わせて、バッグを選びましょう。全体のコーディネートを考え、振袖とバッグが調和するようにします。

画像左「花丸紋に七宝紋様と鳳凰の黒振袖」を例にコーディネートをご紹介します。

大きな熨斗目と菊・牡丹・松などさまざまな花丸紋が描かれたアンティーク黒振袖には、中央「白地に黒い鼻緒、桜と紅葉の手刺繍がいっぱいの花嫁草履」を合わせました。天やサイド、鼻緒にまで、桜と紅葉がふんだんに手刺繍された豪華な草履です。鼻緒と振袖の色を合わせることでスッキリとしたコーディネートに仕上がります。バッグは「明るい紫に大きな宝石ビーズの布バッグ」で大胆にアレンジ。鮮やかな色も帯揚げ・帯締めと同系色にすれば違和感なくまとまりますね。

サイズと形

  • 振袖用のバッグは、コンパクトなものが多いです。大きすぎると振袖の美しさが損なわれる可能性がありますので、必要最低限の大きさのものを選ぶことがポイントです。
  • 形は、四角形や楕円形など、いろいろな種類があるので、振袖とバランスが取れる形を選ぶとよいでしょう。

素材と質感

  • 素材や質感も、光沢感のあるものや刺繍が施されたものなど、さまざまなタイプのものがあります。振袖に合うものを選ぶと全体の印象が引き立ちます。

草履とバッグはセットで購入した方がいい?

前述した通り、草履とバッグはセットで販売されていることが多いです。セット販売されている草履とバッグは、既に生地やデザインが統一されており、振袖全体としてのコーディネートのバランスが取りやすいです。そのため、セット販売されている草履とバッグを使用している人も多いです。

とはいえ、振袖に合わせる草履とバッグは、必ずしもセットのものでなければいけないというわけではありません。草履とバッグを個別で用意しても、最終的に振袖とのバランスさえ取れていれば大丈夫です。和装用のバッグを既に持っていて、草履だけ新たに新調するというのも、もちろん問題ありません。

バッグは、振袖の美しさを引き立て、特別な日をさらにすてきにするための大切な要素です。適切なバッグを選ぶことで、振袖姿をより一層華やかにしてくれるでしょう。

当店はこだわりのバッグも豊富に取り揃えており、草履とセットでなくてもすてきなコーディネートが楽しめます。金色銀色の上品なものから個性的なものまで、ゆめやのバッグでおしゃれにアレンジしてくださいね。

成人式の振袖用の草履バッグセット、安いのは?

繰り返しになりますが、成人式の振袖に合わせる草履とバッグは、デザインを揃えたセット商品になっていることが一般的です。

では、この草履バッグセットをなるべく安く手に入れるにはどんな方法があるのでしょうか。

振袖用の草履バッグセット、狙うは激安セールやアウトレット

着物店やデパート、ネット上の総合物販サイトなどでは、時期やタイミングにより草履バッグセットを安売りしている場合があります。激安セールとして販売する場合もあれば、アウトレット品として廉価に提供しているケースも。

実際の商品を手に取ってみたいのであればデパートやアウトレットモールなどの実店舗を覗いてみるのがよいでしょう。もちろん通販サイトでも、格安な草履バッグセットを一覧で見ることができ便利です。

草履バッグセットを振袖と一緒にレンタルする手も

着物レンタル店で振袖をレンタルするのに合わせて、草履バッグセットもレンタルで借りるというのも一つの手です。成人式が終われば振袖と一緒に返却するだけでよく、繊細な草履やバッグを保管する手間もありません。

レンタル店によっては草履バッグセットを単体で取り扱っているケースもありますが、ゆめやでは帯や草履・バッグなど、振袖を着るのに必要な小物をフルセットでお届けしています。便利なだけでなくお得な振袖&草履バッグセットをぜひご活用ください。

草履の手入れと保管方法

草履を長持ちさせる手入れの方法

草履は正しい手入れを行うことで長持ちし、美しい状態を保つことができます。ここでは、日常的に行うべき草履の手入れ方法をご紹介します。

使用後のお手入れ

  • 使用した草履は、帰宅後すぐに乾いた布で優しく拭きましょう。特に台や鼻緒についた汚れは、その日のうちに拭き取ることが重要です。
  • 落ちにくい汚れは、水を含ませた布をしっかりと絞ってから拭き取りましょう。

乾燥をさせる

  • 草履は、湿気に弱いため、雨や水濡れには特に注意し、濡れた場合は早めに乾燥させることが大切です。
  • 風通しが良く、湿度が低い日陰で乾燥をさせてから保管をします。

草履の保管方法と注意点

草履は保管方法にも注意が必要です。正しい保管方法で、形を崩さずに長持ちさせるポイントをご紹介します。

適切な保管場所の選択

  • 草履は、直射日光や湿気を避けた風通しの良い場所に保管しましょう。湿気はカビの原因になりますので、特に注意が必要です。
  • 温度変化の少ない場所を選ぶと、劣化を防ぐことができます。

形崩れを防ぐ保管方法

  • 使用しない期間が長い場合は、形を整えてから保管します。特に鼻緒は形が崩れやすいので、適切な形で保管することが大切です。
  • 草履専用の袋や箱に入れることで、ホコリから守ることができます。

これらの手入れと保管方法により、草履を長持ちさせ、いつでも美しい状態で使用することができます。

草履を履く際の歩き方と注意点

草履での正しい歩き方と楽な履き方

草履を履く際の歩き方は、見た目の美しさと快適さに大きく影響します。ここでは、草履での正しい歩き方と楽な履き方をご紹介します。

足の置き方

  • 草履は、洋装のときに履く靴とは違い、かかとが少しはみ出るのが正しい履き方です。ただし、草履に慣れていない方などは、足のサイズに合った草履を用意しても問題ありません。
  • 鼻緒に深く足を食い込ませるようにして履くのではなく、軽く挟むような形で履くと、痛みが生じにくいです。

歩行の仕方

  • 歩く際は、小さな歩幅でゆっくりと歩くことがポイントです。草履は滑りやすいので、急な動きは避けましょう。
  • 草履での歩き方は、姿勢も重要です。背筋を伸ばし、落ち着いた歩みを心がけましょう。

鼻緒の調整

  • 新しい草履は鼻緒が硬いことがあります。履く前に、手で優しく鼻緒を曲げて柔らかくすると、足への負担を減らすことができます。

長時間着用時の足の痛みを防ぐコツ

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成人式や特別なイベントでは、長時間草履を履くことがあります。ここでは、長時間草履を履いた際の足の痛みを防ぐコツを紹介します。

適切なサイズの選択
草履を選ぶ際は、自分の足に合うサイズを選びます。大きすぎると歩きにくく、小さすぎると足が痛くなりやすいです。

鼻緒の素材選び
長時間履く際は、柔らかい素材の鼻緒を選ぶとよいでしょう。硬い素材の鼻緒は足に負担をかけやすいので注意が必要です。

休憩を取る
長時間履く場合は、適宜休憩を取り、足を休めることが大切です。座る際は足を少し上げて血行を良くすると、足の疲れを和らげることができます。

これらのポイントを意識することで、草履を履いた際の足の痛みを軽減し、快適に過ごすことができます。草履は和装の美しさを引き立てる大切なアイテムですので、正しい歩き方と適切なケアを心がけましょう。

まとめ

草履を選ぶ際の最終チェックポイント

草履は、コーディネートの見た目を左右する重要なアイテムです。オシャレは足元からという言葉もありますから、しっかりと選ぶようにしたいものです。以下は、今回ご紹介した内容をまとめたチェックリストです。最終的なチェックポイントを確認して、完璧な振袖の装いを完成させましょう。

色とデザインの調和
振袖と草履の色やデザインが調和しているかを確認します。振袖との調和が取れていない草履は、チグハグな印象になってしまいます。振袖の色を引き立てる草履を選ぶことが大切です。

サイズと履き心地
草履を選ぶ際は、見た目だけでなく、履き心地も意識することが大切です。草履のサイズが足に合っているか、長時間履いても痛くないかを確認しましょう。履き心地の良い草履を選ぶことで、快適に過ごせます。

全体のバランス
草履と振袖の相性はもちろん、バッグなどとのバランスも大切です。全体のバランスを見て、調和が取れているかチェックしましょう。

特別な日をすてきな思い出にするために

振袖は、成人式や結婚式など、特別な日に着ることが多い着物です。そんな特別な日をよりすてきな思い出にするために意識してほしいのが、以下のポイントです。これら3つのポイントを意識して、振袖で過ごす日をより一層、すてきなものにしてはいかがでしょうか。

事前の準備
振袖を着る前日までに、振袖や草履、バッグなどの必要なアイテムが全て揃っているよう準備を整えておきましょう。着付けやヘアメイクをお願いする必要がある人は、それらの予約も忘れずにしておいてください。特に成人式の場合は、直前になると振袖のレンタルや着付け・ヘアメイクができない場合があるので、早めに動きだすようにしましょう。

快適さへの配慮
振袖を着て長時間過ごす際も快適に過ごせるよう、履き心地の良い草履を用意するなど、しっかりと準備を整えることが大切です。可能であれば、履き慣れた草履を選ぶことも一つの方法です。また、振袖の着付けが苦しく感じたら、我慢せずに着付けをしている方に相談してみましょう。

楽しむ心構え
当日は、振袖を着る楽しさと美しさを十分に味わいましょう。不安なことがあると、気になってしまい、十分に楽しめないということもあります。当日を思う存分楽しむためにも、しっかりと準備をし、余裕を持ってその日を迎えましょう。

振袖や草履を選ぶ過程も、特別な日の楽しい思い出の一部です。自分に合ったスタイルで、すてきな一日を過ごしましょう。この記事が、振袖に合わせる草履選びの参考になれば幸いです。

著者情報

ゆめや通信編集部

執筆者

この記事はゆめや通信編集部が執筆しています。編集部では、企画・執筆・編集・入稿の全工程を担当・チェックしています。
田村芳子プロフィール画像

監修者 田村芳子

「アンティークきものレンタルゆめや」店主 着物コーディネート・着付け・和裁歴50年余。1985年に「アンティークきものレンタルゆめや」を創業。多くの人にアンティーク着物を着て頂くため、日々接客やコーディネート、着物の手入れを行っています。
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