
【2025年最新版】神前式の流れと魅力、費用のポイントを完全紹介
神前式は、神道(しんとう)の神々の前で、新郎新婦が結婚を報告し、永遠の契りを誓う儀式です。この神とは、天照大神(あまてらすおおみかみ)の祖神である伊邪那岐命(いざなぎのみこと)・伊邪那美命(いざなみのみこと)の二柱である場合が一般的です。神社によっては、その神社特有の祭神である場合もあるようです。神社だけでなく、ホテルや結婚式場でも、神殿や祭壇を設けている所では神前式を挙げることができます。
神道を信仰しているかどうかに関わらず、誰でも神前式を挙げることができます。神前式はその厳かさと伝統的な衣装の美しさで、今もなお多くのカップルから選ばれています。
この記事では、神前式の基本から、式の流れや神前式における和装の選び方まで、詳しくご紹介します。神前式に心を惹かれるものの、どのように準備を進めてよいか迷っている方々にとって、この記事が明確な道標となれば幸いです。
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神前式(読み方:しんぜんしき)とは
神前式は、明治時代から始まった日本の近代化の過程で生まれた結婚の形式です。1900年(明治33年)、当時の皇太子・嘉仁親王(後の大正天皇)と九条節子(貞明皇后)が、天照大神を祀った宮中の賢所でご婚儀を行ったのを契機として、高級官僚や軍人などの富裕層を中心に、神社で挙式することが民間にも広まっていきました。それまでの結婚式というのは、自宅に親族や隣人・知人を招いて、三三九度の盃を交わすのが一般的であり、特に神さまとの関係はありませんでした。神前式が一般庶民にまで普及するには時間がかかりましたが、東京から地方へ、富裕層から中下流層へと、次第に浸透していきました。

神前式は、歴史のある神社で、荘厳な雰囲気の中で行われる儀式が今も人気ですが、現在行われているような形式が定着したのは、第二次世界大戦後の高度経済成長期でした。日本の民族衣装である着物を着ての挙式が、その伝統的価値を見直されることによって、現在まで連綿と受け継がれています。
神前式の式次第やそれに続いて行われる披露宴の由来となったのは、室町時代から行われてきた武家の婚礼作法でした。花嫁の輿入れから始まり、床間のある祝言の間で、花嫁と花婿そして侍女だけで「式三献の儀(三三九度)」を取り行い、饗膳に向い、床入となります。それから二日間は嫁婿ともに白装束で過ごしました。二日目の夜に、花嫁は初めて「色直し」として色柄の入った着物に着替えて、婚家の家族・親族と対面しました。この時、花婿もまた裃半袴へと着替えました。これらの婚礼作法のエッセンスは、現代の神前式の式次第やその後の祝宴にも生きています。
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神前式の費用相場は?
神前式にかかる費用は、首都圏を例にとると、平均33万7000円です。費用の内訳とそれぞれの費用相場は、次のようになります。
- 初穂料:神社や神官に対して贈る謝礼です。5~20万円超と神社によって様々。神社の格式などによって初穂料の金額は違います。
- 挙式代:結婚式の進行に関わるスタッフの人件費など、結婚式を行うのに必要な基本料金です。相場は、30万~35万円。
- 着付け代・ヘアメイク代:衣装の着付けとヘアメイクのセット料金です。相場は、1万~5万円。
- オプション代:参進の儀や巫女の舞などがオプションになっている場合にかかります。相場は、5万~15万円程度。
- 新郎新婦貸衣装代:レンタルの婚礼衣装は、白無垢よりも色打掛が高い傾向にあります。着物は「衣装持ち込み一切不可」の会場もあるので、事前の確認が必要です。相場は、5万~25万円。
- 記念撮影代:写真撮影の料金です。相場は、5万~10万円。境内や社殿内は撮影禁止になっていることが多いので、あらかじめ確認が必要です。
神前式の費用相場は以上ですが、別途、披露宴代も掛かりますので、トータルで予算を組んでおく必要があります。披露宴代は、客の人数や食事のメニュー、演出の種類によっても変わります。神前式の費用は、選択する神社の格式や婚礼衣装の種類、式の演出によって大きく異なりますが、重要なのは予算内で最高の体験を実現することです。意義深い式を行うために、しっかりとした予算計画を立てることが大事です。
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神前式の基本の流れ
神前式の進行は、一般的に以下のようになります。神社や地域によっては、内容や順序に違いがある場合があるので、神社や式場に確認しておくことが必要です。
神前式にかかる時間は、入退場を含めて30分程度が一般的ですが、内容によって変わります。それとは別に、着付けやヘアメイクなどにも2時間程度かかります。
<神前式までの流れ>
- 新郎新婦のヘアメイク・着付け:2~3時間前
- 親族が控室に集合、挙式の流れについて説明を受ける:15~30分前
- 式場に参列者が入場し、神前式開始:式次第に沿って、式が執り行われます。
<神前式の基本の流れ>
- 参進の儀(さんしんのぎ)
- 入場
- 修祓の儀(しゅばつのぎ)
- 斎主一拝(さいしゅいっぱい)
- 献饌(けんせん)
- 祝詞奏上(のりとそうじょう)
- 誓杯の儀(せいはいのぎ)
- 神楽奉納(かぐらほうのう)
- 誓詞奏上(せいしそうじょう)
- 玉串奉奠(たまぐしほうてん)
- 指輪の交換
- 親族杯の儀(しんぞくはいのぎ)
- 斎主挨拶(さいしゅあいさつ)
- 退場
それぞれについて、以下に詳しく解説します。
1. 参進の儀(さんしんのぎ)
斎主(祭儀を司る神主)と巫女が先導して、雅楽が演奏される中を、式を挙げる社殿へと「花嫁行列」を進めます。
2. 入場
神殿に神職、新郎新婦、仲人、両親、参列者が入場し、全員が着席します。神さまから見て左側に新郎、右側に新婦が座り、それぞれの後ろに親族が座るのが一般的です。
3. 修祓の儀(しゅばつのぎ)
祭儀の開始前に、神職が新郎新婦や参列者全員に対し、身を清めるためにお祓いをします。まず神職が祓詞(はらいことば)を奏上し、大麻(おおぬさ)を左右に振ってお祓いをします。
4. 斎主一拝(さいしゅいっぱい)
全員が起立し、斎主に合わせて神前に一礼します。
5. 献饌(けんせん)
神職が神さまに、神饌をお供えします。神饌とは、神さまに召し上がっていただく食事のことを言い、具体的にはお米や御神酒、海の幸、山の幸などです。
6. 祝詞奏上(のりとそうじょう)
斎主が祝詞を奏上し、新郎新婦が結婚することを神さまに報告して、末永い幸福を祈ります。
7. 誓杯の儀(せいはいのぎ)
神前に供した御神酒を下げて、巫女により大中小三つの盃に注がれたものを、新郎から新婦の順番で交互に飲むことで、夫婦の永遠の契りを結びます。三三九度の盃とも呼ばれます。
8. 神楽奉納(かぐらほうのう)
雅楽の演奏とともに二名の巫女が神楽を奉納して、婚儀をことほぎます。
9. 誓詞奏上(せいしそうじょう)
新郎新婦が誓詞(誓いの言葉)を、神さまに奏上します。誓詞は定型文が用意されていますが、新郎新婦が独自に作ることもできます。
10. 玉串奉奠(たまぐしほうてん)
新郎新婦が、神前に玉串をお供えして拝礼します。玉串は、榊(さかき)の枝に木綿(ゆう)または紙垂(しで)を付けたもので、それを神に供えることで参拝者の心を託す意味があります。
11. 指輪の交換
新郎新婦が、神前で結婚指輪を交換します。
12. 親族杯の儀(しんぞくはいのぎ)
両家の家族と親族が、御神酒で盃を交わし、親族の契りを結びます。
13. 斎主挨拶(さいしゅあいさつ)
斎主が、婚儀が滞りなく終了したことを神さまに報告します。
14. 退場
全員が退場します。
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神前式に取り入れる演出
神前式の基本の流れの中に、オプションで取り入れることができる演出が用意されている場合があります。それは、次のようなものです。
<神前式に取り入れる演出>
- 参進の儀(さんしんのぎ)
- 巫女舞(みこまい)
- 折り鶴シャワー
- 水合わせの儀
- 雅楽
以下に、詳しく解説します。
参進の儀(さんしんのぎ)
参進の儀は「花嫁行列」とも言われますが、斎主の神主に従って、花嫁花婿、両親、親族の順に、式を挙げる神殿に向かって境内を歩いて行きます。この時、神社によっては、紅の和傘を差したり、雅楽を演奏したりする演出を行うことがあります。挙式プランに含まれている場合もありますが、別途オプションになっている場合もあります。
巫女舞(みこまい)
巫女舞は、神前で巫女が神楽に合わせて舞を奉納する儀式です。神社によっては挙式の一環として行われますが、別途オプションになっている場合もあります。
折り鶴シャワー
教会婚でのライスシャワーやフラワーシャワーのように、和婚のために考案された演出が折り鶴シャワーです。通常の折り紙の4分の1サイズで鶴を折り、それを新郎新婦にシャワーのように振りかけて、新郎新婦を祝福します。神社やホテルによっては出来ない場合もあるので、あらかじめ確認が必要です。
水合わせの儀
新郎新婦が、それぞれの実家から汲んできた水を、ひとつの盃(さかずき)に注ぎ合わせて飲む儀式です。水はそれぞれ別の環境で育ってきた新郎新婦を象徴し、二つの水を合わせることで、新たな家族の誕生を象徴的に意味しています。
雅楽
神前式では、新郎新婦が入場する際や玉串奉奠の時など、何か所かで雅楽器が演奏されます。笙(しょう)、篳篥(ひちりき)、竜笛(りゅうてき)などの雅楽器の生演奏がオプションになっている場合があります。
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神前式を彩る特別なアイデア
神前式は、古来より受け継がれる伝統的な儀式を体現する一方で、カップルの個性を映し出す機会でもあります。例えば、伝統的な衣装に現代的な洋髪アレンジを取り合わせたり、セレモニーにオリジナルの要素を加えたりすることで、一生の記憶に残る瞬間を創り出します。ここでは、伝統に敬意を払いつつ、式を独自性と創造性で彩るためのアイデアを、さらに詳しく見ていきましょう。
オリジナル演出の魔法
- 季節感あふれるセレモニー:神社の自然環境を活かし、セレモニーの装飾に季節の花や素材を取り入れます。例えば、秋にはもみじや柿の葉を、冬には松や竹を用いることで、四季の移ろいを感じさせる空間を創出できるでしょう。
- 光と影のアート:セレモニーや披露宴で、和紙のランタンや竹製の灯籠を使用して、幻想的な雰囲気を演出するのも良いでしょう。光と影を用いたデザインで、神秘的な美しさを加えることができます。
- パーソナライズされた結びの儀式:伝統的な祝詞に加えて、カップルが自ら選んだ言葉や詩を読み上げる時間を設けることで、式がより感慨深いものとなります。
ゲストを驚かせるアイデア
- 記念品としてのオリジナル絵馬:カップルからゲストへの感謝の気持ちを込めた、オリジナルデザインの絵馬を記念品としてはいかがでしょうか。ゲスト自身が願いを書き込むことで、式の記憶を形に残すことができます。
- インタラクティブな体験ブース:披露宴に、茶道体験や筆での名前書きなど、日本文化を体験できるブースを設置することもすてきです。ゲストが直接参加し、文化的な体験を楽しむことができます。
- サステナブルな演出:地元の季節の花を使う、エコフレンドリーな素材で作られた装飾品を選ぶ、食材を地域の旬のものにするなど、環境に配慮した選択をすることもおすすめです。これらの取り組みにより、カップルは地球に優しい結婚式を実現し、未来のためにポジティブな影響を与えることができます。
- デジタル技術の活用:挙式のライブストリーミング、デジタル招待状、オンラインでのゲストブックなど、デジタルツールを駆使することで、伝統的な式に現代的な要素を取り入れることが可能です。これにより、遠方にいる親族や友人も大切な瞬間を共有でき、より多くの人と喜びを分かち合うことができます。
和装写真撮影における工夫
撮影衣装の選定:写真撮影の際に衣装を替えることもおすすめです。神前式での白無垢や色打掛から一転し、華やかな引き振袖で個性を演出してみてはいかがでしょうか。
季節と時間を意識した撮影:和装写真は、季節の花々や自然の風景を背景に、特に美しい瞬間を捉えます。早朝や夕暮れ時の柔らかな光は、和装の質感と色彩を際立たせ、感動的な写真を残します。
ドローンによる撮影:神社や式場の周囲をドローンで撮影し、通常では見ることのできない角度からの写真や映像を取り入れることで、神前式の記録に独特の視点を加えます。
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神前式で選ばれる和装
神前式での婚礼衣装は、式の伝統と格式にふさわしい和装を選ぶことが求められます。花嫁は白無垢や色打掛、新郎は黒紋付羽織袴などを選ぶのが一般的です。
<神前式で選ばれる和装>
- 白無垢
- 色打掛
- 黒紋付羽織袴(新郎)
白無垢
身に着けるすべてのものを「白」で統一した衣装で、神前式では一番人気があります。白の打掛に、その下に着る掛下、半衿、掛下帯、帯揚げ、帯締めも、すべて「白」でまとめます。身に着ける懐剣、筥迫(はこせこ)、末広(扇子)などの小物も、白で統一します。
「白」という色は、古来より清浄さや神聖さを表す色とされてきましたが、婚礼衣装で使われる時は「婚家の色に染まる」という意味があるとされています。つまり、花嫁が育ってきた家風から離れて、新たに婚家の家風になじんでいこうという気持ちを表すものとして身に着けるわけです。
白打掛ですが、和装で「無垢仕立て」という場合は、表地と裏地が共生地で仕立てられたものを言います。さらに白打掛には、縁起をかついで、地模様として松竹梅などの吉祥文様が施されています。
一見、あまり違いがないように見える白無垢ですが、「緞子(どんす)」「錦織(にしきおり)」「綸子(りんず)」など、織り方の違いによっても光沢や重厚感に差があります。また吉祥文様も、松竹梅以外に、鶴や亀、菊、桜、牡丹などがあり、それぞれが持つ意味を理解して選べば、華やかな雰囲気を楽しむことができます。


こちらはゆめやでレンタル可能な、神前式で着ていただくのにふさわしい、アンティーク白無垢一式です。
左の白無垢は、何羽もの羽ばたく鶴が織り出されたアンティーク白打掛一式です。鶴の羽が銀やグレーで織られ、白い中にも表情のあるデザインの白無垢です。正絹特有のアイボリーがかった独特の色合いをお楽しみいただけます。掛下・半衿・筥迫なども、すべて正絹でご用意しています。
右は、オフホワイト色の正絹地に鶴・松・牡丹・藤の花が織り出され、鶴の羽根や松の葉などの要所要所を銀糸の手刺繍とビーズやスパンコールで加飾した、アンティークの白打掛です。半衿は、白糸と金糸で、鶴・松・竹・小菊が手刺繍された正絹を合わせ、帯・帯締め・帯揚げや、筥迫・末広・懐剣は、白で統一しました。打掛が真っ白ではなくオフホワイトのため、小物の白さが際立つコーディネートになりました。
色打掛
白無垢で一番上に羽織るのは白い打掛ですが、白以外にも打掛には、赤・ピンク・青・緑・オレンジ・黒など、様々な地色のものがあります。これらを総称して色打掛と呼んでいます。
色打掛は、披露宴で着られることが多い衣装ですが、正装として挙式で着ることにも何ら問題はありません。それだけ格式の高い衣装であると認められています。ただし色打掛は、白無垢の次に着ることはできますが、色打掛の後に白無垢を着ることはできないという不文律があるので、お色直しをする場合は注意が必要です。これは「神前式とは」でも触れたように、白装束から色柄付きの着物に着替えるという婚礼の伝統に由来するものです。そのため色打掛には、「婚家の人になった」という意味があるとされています。
色打掛は鮮やかな地色の上に、染めや刺繍などで、豪華な吉祥文様が描かれているのが特徴です。


ゆめやでレンタル可能な、神前式におすすめの衣装をご紹介しましょう。鶴、亀、松、竹、梅がすべて手刺繍で描かれたアンティーク打掛です。表では、ピンクの梅、緑や黄緑の竹の葉が初々しく彩っています。後ろに回ると、亀、松、竹が黄金色に輝き、その上には大きな鶴が羽ばたいています。すべてが手刺繍された、新しい人生への出発にふさわしい、豪華な打掛です。
黒紋付羽織袴(新郎)
新婦は、白無垢や色打掛、引き振袖などから選択することができますが、新郎の場合は、ほとんど黒紋付羽織袴一択です。黒紋付羽織袴は男性の正装であり、五つ紋の黒羽織とその下に着る黒い長着、仙台平の縞模様入りの袴を着用するのが正式とされています。羽織紐や長襦袢の半衿、足袋、雪駄の鼻緒など、小物はすべて白で統一します。


ゆめやでレンタル可能な黒紋付羽織袴をご紹介します。左と右の黒紋付羽織袴は共に、羽織の素材は羽二重か塩瀬です。アンティークの深い味わいに満ちた、素晴らしく上質な正絹で仕立てられています。家紋は貼付け紋で変更することが可能ですのでお申し付けください。袴はストライプ、グレーストライプ、仙台平などでコーディネートしました。
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神前式に合う髪型は?
神前式では、日本の花嫁の伝統的な髪型である文金高島田に、綿帽子もしくは角隠しを合わせるスタイルを選ぶ人が多いです。地毛で結い上げる人もいますが、かつらを使用するのが一般的です。最近では、シニヨンや編み込みのまとめ髪のように、和装に合った洋髪を選ぶ人も増えています。神前式では、どちらを選んでも大丈夫です。
文金高島田
髷(まげ)の根元を立てて、折り曲げて結ぶ島田髷の中でも、特に上品とされているのが文金高島田です。神前式の白無垢や色打掛に、最もよく選ばれている髪型です。
島田髷は、江戸時代の未婚女性の代表的な髪型でしたが、文金高島田は文化文政時代に流行した結い方でした。「文金」というのは当時の貨幣の呼び名で、金の含有率が低かったため急激なインフレとなり物価が高かったことと、「高島田」の髪を結う位置が高いのを掛けて、「文金高島田」と呼ばれるようになりました。
こちらが文金高島田になります。


現代のように花嫁が結う髪型として定着したのは、明治時代からと言われています。それ以前は、武家のお姫様だけが結うことのできる髪型でしたが、明治時代の到来とともに封建制度が瓦解したために、一般庶民も結えるようになったのでした。神前式での花嫁の髪型として普及したのは、昭和時代になってからのことです。
綿帽子と角隠し
白無垢を着て文金高島田を結った時にかぶるのが、綿帽子です。綿帽子は、真綿を平らに伸ばして作った被り物で、もともとは防寒具や塵除けとして用いられました。室町時代頃にはすでにあって、花嫁の婚礼衣装として用いられるようになったのは、江戸時代以降になります。
綿帽子は、挙式で白無垢を着た時にだけ被ることができ、色打掛の時や披露宴では被ることができないとされています。綿帽子を被ることには、結婚式が終わるまでは新郎以外には顔を見せないという意味が込められています。
一方、白無垢でも色打掛でも着用できるのが、角隠しです。角隠しは、髷を覆うようにして着用する長方形の布で、白絹で作られるのが一般的です。挙式でも披露宴でも使用することができます。
もともとは、江戸時代に御殿女中などが外出時に身に着けた塵除けから由来しており、婚礼衣装として用いられるようになったのは、明治時代以降と言われています。「角」とは、女性が嫉妬にかられると鬼になるという俗説から、嫉妬を象徴する言葉になっています。角隠しを身に着けることには、婚家に嫁いだ後は嫉妬を戒める意味があるとされています。
左が綿帽子、右が角隠しです。


綿帽子 | 角隠し | |
使用できる衣装 | 白無垢 | 白無垢・色打掛・引き振袖 |
使用できる場面 | 挙式 | 挙式・披露宴 |
使用できる髪型 | 文金高島田・洋髪 | 文金高島田 |
意味 | 結婚するまで夫以外には顔を見せない | 嫉妬を戒める |
洋髪
神前式での髪型には決まった規則はないので、洋髪を選ぶことも自由です。洋髪は、伝統的な日本髪に比べて、軽快で動きやすいというメリットがあります。また洋髪であっても、希望すれば綿帽子をかぶることもできます。ただし神社によっては、洋髪を認めないところもあるので、事前に洋髪でも大丈夫か確認しておくことが大事です。
神前式で白無垢や色打掛に似合う洋髪のヘアスタイルには、次のようなものがあります。
- シニヨン:「お団子」とも呼ばれる、束ねた髪をサイドやバックでまとめた髪型です。すっきりした印象になります。
- ゆるふわヘア:ゆるく巻いたふわふわした感じのヘアスタイルを言います。フェミニンで可愛らしい雰囲気になります。
- ショート・ボブ:あごラインくらいまでの長さのボブスタイルを、ショートボブと言います。アレンジ次第で、ナチュラルにもキュートにもなります。
- 編み込みハーフアップ:耳上の髪の毛を編み込んでまとめることで、上品でフェミニンな印象になります。お団子やくるりんぱなどのアレンジを加えることで、様々な雰囲気を作り出せます。
最近は、洋髪に綿帽子を被った婚礼スタイルも人気のようです。洋髪で綿帽子を被る時は、綿帽子キーパーを使い、綿帽子の形を崩さないようにして被ることができます。
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神前式と教会式、人前式の違い
結婚式の形式には、神前式以外に教会式や人前式などがあります。
神前式は、神道の神様に結婚を報告し、永遠の契りを結ぶ儀式です。式を取り仕切るのは神職である斎主で、神社や神殿を設けているホテル・結婚式場などで挙式ができます。
教会式は、キリスト教の神の前で永遠の愛を誓う儀式です。教会や結婚式場のチャペルで挙式することができます。キリスト教の教義に則って行われるため、事前に宗派について知っておく必要があります。キリスト教には多くの宗派がありますが、その中で大きなものはカトリックとプロテスタントです。
カトリックの場合は、新郎新婦のどちらかが信者でないと、挙式することができません。カトリックは、伝統を重んずる規律の厳しい宗派なため、様々な制約があります。結婚式を挙げることができるのは初婚の方だけで、離婚は禁じられています。ウェディングドレスも、肌の露出が多いものは許可されないことがあるので、あらかじめ確認しておく必要があります。式を取り仕切るのは神父で、カトリック教会で行われます。
一方、プロテスタントは、信者ではなくとも結婚式を挙げることができます。プロテスタントは、中世の宗教改革でカトリックから分離した宗派であるため、カトリックと比較すると柔軟で自由な特徴があります。式を取り仕切るのは牧師で、プロテスタント教会以外にも、ホテルや結婚式場のチャペルでも結婚式を挙げることができます。
人前式は、宗教から自由な結婚式スタイルのため、新郎新婦の結婚を承認するのは、参列したゲストになります。式の内容や進行も自由に決めることができ、式を挙げる場所も自由に選ぶことができます。新郎新婦やゲストの衣装も自由に選ぶことができ、伝統や格式を気にせずに結婚式を挙げたい人に向いたスタイルと言うことができます。
神前式 | 教会式 | 人前式 | |
会場 | 神社、神殿や祭壇のあるホテルや結婚式場 | 教会、結婚式場のチャペル | ガーデンウェディングなど、場所は自由 |
婚礼衣装 | 新婦:白無垢・色打掛など新郎:黒紋付羽織袴 | 新婦:ウェディングドレス新郎:タキシード | 新婦:好きな衣装新郎:好きな衣装 |
進行役 | 斎主 | 牧師または神父 | 自由 |
目的 | 神道の神様に結婚を報告する | キリスト教の神様に愛を誓う | 参列者に承認してもらう |
参列者 | 家族・親族 | 自由 | 自由 |
式の流れ | 基本的な流れが決まっている | 結婚式場ならばアレンジが可能 | 自由 |
費用の目安 | 25~30万円 | 40~45万円 | 25~30万円 |
神前式と教会式、人前式それぞれにメリットとデメリットがあります。よく比較検討して、もっともカップルにふさわしい結婚式スタイルを選ぶことが大切です。
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結婚式を行う神社を選ぶ際のポイント4選
神前式を挙げることを決めたら、次は受け入れてくれる神社を探さなければなりません。その際に配慮することが望ましい主要なポイントについて、以下に解説します。
<結婚式を行う神社を選ぶ際のポイント>
- 両家が信仰している宗教を確認する
- 収容人数を事前に確認する
- 対応範囲や持ち込みの不可について確認する
- 披露宴や食事会会場までの移動はスムーズか確認する
順番に詳しく見ていきましょう。
両家が信仰している宗教を確認する
神前式は、新郎新婦の信仰と関係なく、お二人が望めば神社では挙式を受け入れてくれます。しかし、新郎新婦ご両家の親族が特定の宗教を信仰している場合、神前式の挙式過程で問題が起きてくる可能性があります。神前式では、親族同士が契りを結ぶ儀式を避けては通れません。しかし宗教や宗派によっては、他の宗教や宗派との結び付きを嫌うものがあるからです。
事前に行える対策として、両家に信仰している特定の宗教はあるか、もしある場合は、神前式に参列することに問題はないかどうかを確認しておく必要があります。特に、新郎新婦に近い参列が必須な親族ほど、この問題を事前に解決しておくことが重要です。
収容人数を事前に確認する
神前式では、列席者は家族や親族に限られる場合が多いので、収容者数が問題になることはほぼありません。ただし、親族が多かったり、それ以外の知人や友人を呼ぶ場合は、収容者数を超える場合があり得ます。
挙式だけでなく、その後に続く披露宴も含めて、会場の収容人数を確認した上で、参列していただく人の数を調整することが必要です。あるいは、参列者全員を収容できるだけの大きさの会場を探すことが必要になります。
対応範囲や持ち込みの不可について確認する
神前式を受け入れている神社の多くは、挙式を取り仕切るプランナーがいたり、披露宴会場なども併設しているところが増えています。しかし中には、神社では挙式だけで、式の進行は自分たちで取り仕切ったり、披露宴会場を別に自分で探さなければならないところもあります。
また神社によっては、プロのカメラマンを依頼しても、挙式場や境内への立ち入りを禁止しているところもあります。そのため、神社ではどこまで対応してくれるのか、あらかじめ詳細にわたって確認しておくことが必要になります。
披露宴や食事会会場までの移動はスムーズかを確認する
神社での挙式が終わった後は、披露宴や食事会を行う会場への移動が伴います。多くの場合、次のようなケースが考えられます。
- 神社の敷地内や近隣に併設した神社管轄の会館
- 披露宴ができるホテルや結婚式場
- レストラン、料亭などの食事会ができる場所
神社が設置している会館であれば、たいてい徒歩で行ける距離にあるので、移動は容易です。しかし、ホテルや結婚式場、レストランや料亭の場合は、近距離にあればいいのですが、遠い場合はバスやタクシーでの移動が必要になり、それらの手配も事前にしておくことが必須になります。
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神前式を選ぶ深い理由
神前式は、神道の神々の前で結婚を誓う儀式であり、伝統と格式を重んじるカップルにふさわしい結婚式の形式です。神前式の厳かな雰囲気と和装の美しさが、多くのカップルを魅了し続けています。
この記事では、神前式の由来や式の流れ、神前式にふさわしい和装や髪型の選び方を紹介し、その深い意義を探ってきました。日本古来よりの歴史や文化に根差した、先祖や親族同士の結び付きを大切にする儀式を通じて、夫婦としての新しい人生を始められることが、多くのカップルが神前式を選ぶ理由になっています。
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著者情報

執筆者 ゆめや通信編集部
